すっかりブログの更新をサボっているので、ここを見ている人がいるかどうか定かではないですが、サイトを見てくれてる方はいるんだな、とweb拍手で分かります。応援ありがとうございます!
さて、今年最初のブログ記事で、今年最後のイベント直参のお知らせです。
11月11日(土)に東京流通センターで開催される文学フリマ東京37に出店します。
サークル名はサイトと同じ『夢想叙事』、ブースNo.は『お-57』です。第二展示場1階です。
来年からは入場が有料となるそうなので、無料で入場できるのは今回までです。
東京近郊の方、ぜひお立ち寄りください。
しばらくサイトの更新をだいぶサボっているので、サイトには掲載していない短編を集めた短編集『Binary Star-Shine』『Binary Star-Shade』や、異世界ファンタジー中編『封印ロンリネス』などがあります。
仕事が忙しくてサイトの更新、電子書籍化をサボりがちなので、確実に欲しいという方がいらっしゃいましたら、文フリ東京にお越しになるか、通販のご利用をよろしくお願いします!
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まずは毎回恒例、Twitterのタグからいらっしゃった方に簡単に自己紹介。
永坂暖日(ながさか・だんぴ)という名で物書き活動を長年続けています。Twitterのアイコンはキガシラペンギンという日本では飼育されていない絶滅危惧種のペンギンです。ペンギンはかわいいけど、そのほとんどは絶滅の危機に瀕しています。それはさておき個人サイト全盛期から十年以上「夢想叙事」というサイトを運営(放置ともいう)しています。五、六年ほど前から同人誌を作って即売会に出没するようにもなっています。
よく書くジャンルは、異世界ファンタジー(転生や転移は含まない)とSF、現代物です。基本的にはシリアスでシビアな作風で、主人公は大概ひどい目に遭います。でも時々ほのぼのも書くので、見捨てないで読んでください。
自己紹介が終わったところで、本格的に振り返っていきましょう。そこそこ長いです。
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さて、昨年も大変な一年となり、今年もどうなることやら、という状況になってきていますね。ただ、出社しないとほとんど何もできない仕事のため、去年も今年もリモートワーク何それおいしいのみたいな感じで働いていきます。
さっそくまずは、2021年の創作状況を振り返っていきましょう。
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さて、タイトルにもある通り、最近書き上げた長編の話です。
まだタイトルは決まってません。書き上げたのでひとまず寝かして、推敲した時にでも考えればいいや、という気持ちになっております。推敲は……年内にできたらいいですね……。
当初はとある公募に出そうと思って書き始めたのですが、全然間に合わないし書いている途中でスランプになってしまい放置して、それから数年越しでなんとか書き上げられました。公募に出すということで、十万字程度のつもりで書いていたのですが、書き上げてみたらその倍、二十万字になってしまいました。推敲したら多少減ると思いますが、さすがに十万字にはならない……。今まで書いた中では、二番目に長い話になるでしょうか。
この長編を書くきっかけは、今はもう公開していない、その上違う名義で書いていた長編です。その長編が完結した後、長編の主人公の親世代の話を書いてみよう、と思い立ったのが始まりでした、確か。
とはいえ、単独で読めるのが大前提。その上で、件の長編も読んだ人が「実は繋がっていたんだ!」と気付いてくれたらいいなあ、というのがありました。今となっては、その長編を公開していないし、それを読んだ人が今回書き上げた長編を読むことは、まあないでしょう。
それはさておき、書こうと思い立ったのは2016年とか2017年の早い段階だったと思います、覚えてないけど。残っている最初のプロットの最終更新日は2017年10月ですが、このプロットをその後大幅に見直して、2018年2月下旬くらいから、本編を書き始めたようです。
書き始めたものの、一ヶ月半くらいで7万字書くという、わたしとしてはハイペースで進めたために切りがいいところにたどり着いた時点で一度燃え尽きてしまいました。その間に色々短編やら他の長編やらを書いて、放置していたものをいつまでもこのままにはしておけないと、ようやく戻ってきて、なんとか書き上げられたわけです。
わたしは、おおざっぱなあらすじを書いた後(これがプロットに相当する?)、そのプロットに沿って細かなエピソードなどを箇条書きして(下書きかな?)、それから本編に取りかかる、というスタイルです。プロットは短いですが、下書きに相当する部分は3万字程度書いています。長編の場合は、だいたいいつも数万字程度の下書きはしています。下書きができた後は、深く考えずにそれ通りにキーボードをぱちぱちしていけばいいので、楽といえば楽です。いや、それほど楽でもないです。
効率悪いなあ、と思いますが利点もあって、今回のように三年ぶりに再開しようという時でも、下書きがあるので基本的にはそれに沿って書けばいいから、色々忘れていてもなんとかなりました。忘れていたので、書いた分を読み返さないといけなかったですが。
長編の話、といいつつ内容ではない話がほとんどになってしまいました。内容は、異世界ファンタジーで、普通に生きていた主人公が、いつの間に嫉妬と狂気にまみれた小さな騒動に巻き込まれるという話です。今回は明確な敵役がいて、そのうち一人はマッドサイエンティストを意識しました。だいぶマッドな感じになりました。現時点では同人誌にするかは未定ですが、いずれ推敲して、少なくとも投稿サイトや自分のサイトで公開しようかな、とは考えています。それがいつになるかは未定ですが、もしも公開したら、その時はよろしくお願いします。
]]>先日、#Twitter300字ssに参加した作品をサイトに上げているので、よろしくお願いします。コツを掴めてきたとか前回書いてますが、やっぱりそんなことはなかった、と思いました。
今回も画像を作ったのですが、今はパソコンを立ち上げてないので、今度パソコンを立ち上げたときに画像は上げようと思います。
さて、300字SSは毎月書いてますが、それ以外で最近書き上げたのは、なんといっても長編です。2018年の二月くらいから書き始めたような気がします。5月頃に一度スランプに陥って放置、そのまま三年もの時を経て今年の四月頃から執筆を再開し、先週やっと書き上げました。
長編を書く時はざっとしたプロットを作り、それから結構細かい内容を箇条書きにした下書きを書いて、本編に取りかかるようにしてます。なので、構想を練り始めたのは2017年頃、ネタ自体は2016年くらいに思い付いたんじゃないでしょうか。もう忘れましたが。途中まったく手を着けていない期間もありましたが、五年ほどかかったわけです。時間はかかりましたが、なんとか書き上げることができてよかったです。途中で放置していたものの、存在自体はずっと気になっていたので。
世の中に創作論は色々とありますが、共通しているのは、「とにかく書き上げること」だと思います。書き上げなければ、どんな傑作も未完のままです。まあ、自分のは全然傑作ではないですが。
そういえば、書き上げたはいいけれど、まだタイトルが決まってないことに気が付きました。というか、忘れていた……。
タイトル含め、長編についてのあれこれは、次回のブログのネタに取っておこうと思います。
]]>月に一回開催されるTwitterでの企画「#Twitter300字ss」に去年から毎月ひっそり参加しています。300字ということで参加しやすいです。毎月続けてきて、なんとなくコツを掴めてきたような気がします(気のせいかも)。
企画開催日にカクヨムに投稿して、次の日くらいにはサイトでも公開するので、おかげさまで毎月何かしら更新できています。
企画のお題は開催日の一週間前に発表されるのですが、開催直前(もしくは開催されてから)書くことも多く、結果カクヨムに投稿するだけ、ということが多いです。が、今回は珍しく早く書いて、時間もあったのでポスカ風の画像を作りました。せっかくなので、ブログに載せておこうかと。↓の画像です。クリックすると拡大できます。
内容も画像も気に入っているので、読んで頂けたら幸いです。
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直参イベントには参加しづらい・行きづらいだけでなく、開催すらされないようなこんな世の中ですが、全通販型の同人誌即売会『Text-Revolutions Extra2』(通称:テキレボEX2)が現在絶賛開催中です。2020年12月26日から購入サイトがオープンして、3月21日で購入期間終了となるので、どちらかというと会期終盤です。
こちらにわたしも参加しています。購入サイトで『夢想叙事』か『永坂暖日』で検索してみてください。昨年11月に発行した、人間と人魚を巡る和風ファンタジー『あぶくは願う』や新刊となる地下都市SFの番外編集『名もなき日々』などがあります。
わたしの本以外に、テキレボEX2に参加されている他のサークルさんの本やグッズなども同時に購入できます。購入方法は詳しくはテキレボEX2のサイトを参照して頂きたいのですが、手数料+送料で、数多の本が一度に買えるという大変お得なイベントです。買い過ぎちゃってもうこれ以上は持ち歩けない、という直参イベントならではの悔しい思いは無用です。欲しい本は全て自宅に届くのです。届くまでにちょっとお時間頂きますが、イベントの開催自体が減っている今、欲しい本をいつ買うの? 今でしょ!
そんなわけで、ちょっと雑な宣伝ではありますが、この機会にぜひわたしの本を買って下さい。今後のイベント参加予定はまったくの白紙なので(10月の文フリ札幌はちょっと考えてますが)。
↓お品書きです。
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大晦日に、2020年の創作をさっくり振り返ってみようと思います。去年に引き続き、Twitterでの企画「#創作2020_21」に参加です。
タグから来られた方に簡単に自己紹介しますと、永坂暖日(ながさか・だんぴ)と申す物書きです。「夢想叙事」という個人サイトを運営しつつ、同名でオフラインの活動も細々やっています。異世界ファンタジーやSFを書いていて、淡々とした文章と、シビアな展開になりがちな作風が特徴といえば特徴でしょうか。ご興味のある方は、サイトをご覧になるか、カクヨムでも小説を公開しているのでぜひともご覧ください。
さて、今年は皆さまご存じの通り、大変な一年でしたね。去年の総括記事を読み返したら、こんなことになるなんてこれっぽっちも思っていないのが見て取れます。
■今年のイベント参加
1/19 第4回文学フリマ京都(個人委託)
5/18〜8/31 Text-Revolutions Extra(通称:テキレボEX)
11/22 第31回文学フリマ東京
12/26〜1/11 Text-Revolutions Extra2(通称:テキレボEX2)
5月の文フリ東京にも参加予定でしたが、中止。他にも個人委託させて頂く予定だった即売会も次々と中止……。
今年はイベント参加を控えめにしようと思っていたとはいえ、これだけ次々と中止になるのはさすがに残念無念の一年でした。
そんな中、オンライン上でたくさんの同人誌を一度に買うことができる通販型即売会のテキレボEXは、大変ありがたいイベントでした(現在テキレボEX2が絶賛開催中)。
来年も、今年とさほど状況は変わらないのかなと思いますが、今年よりはイベントの開催数は増えそうな気もします。ひとまず、文フリ東京には開催されるならば参加しようと思っています。遠征は、その時の状況次第になりますが、文フリ札幌に参加したいなという密かな野望を抱いています。
■今年作った同人誌
『竜の舞い降りる村』
異世界ファンタジーの短編集ですが、再版となります。初めて作った短編集で、とっくに完売していたんですが、テキレボEX開催を記念して再版しました。中身は一緒ですが、表紙・装丁・各話の扉・組版が初版とは違います。
『あぶくは願う』
人間と人魚を巡る和風ファンタジー長編です。去年の今頃も書いていた話を、11月に発行しました。初めての上下巻セット。電子書籍(Kindle)も発行していて、電書版は一冊にまとまっていて、電書版用の表紙になっています。
■今年書いた話
まずは、『あぶくは願う』ですね。7万字くらいにしたい、なんて去年の総括で書いていますが、大体その倍になってしまいました……。おかげで執筆期間も当初より長くなり、推敲にも結構時間を取られました。しかしなにはともあれ、数年抱えていたネタをようやく形にできたので良かったです。年をまたいで書いてますが、2020年に書いた分は多分14万字くらい。
その後は、気分転換兼去年途中で終わってしまったnovelberの残りのお題に取りかかりました。こちらも二ヶ月くらいかけて、残ったお題を全て消化。これは42000字ほど。
まとまって書いたものはそれだけで、後は300字SSが11編と短編が2編、今年のnovelberを6編書きました。総文字数は20万字ほど、作品数30。
2019年よりは書いてるけど、長編を二つ書くという目標は達成できませんでした。でも、長編を久しぶりに書いたし、よく頑張ったと自分で自分を褒めておくことにします。
■来年の目標
今年の二つ目の長編として書くはずだった頓挫している長編を書き上げ、来年こそは、長編をもう一つ書く。そんでもって、今年のnovelberがまたもや途中になってしまっているので、そちらもぼちぼち進めたいです。見切り発車したために、やめときゃ良かったと思わなくもないですが、始めてしまったからにはなんとか終わらせたい……。
その他、Twitter上で開催されている300字SSには今年に引き続いて参加、その他の企画にも参加したいと思います。
とにかく、書く。
□創作と新型コロナ(オプションテーマ)
仕事の方は、テレワークが難しい仕事ということもあり、幸いさほどの影響はありません。日常生活自体も、去年とまったく同じとはいきませんが、あまり変わらないので、創作に充てられる時間は今までとほぼ変わらずです。去年より書いているから、まあほぼ影響はないと言えるでしょう。
ただ、3月頃、Twitterで絵描きさんたちがアマビエをテーマにイラストを描いているのを見て、よしじゃあ自分は小説を書こうと思って書きました。何故かSFになりましたが『きみの健やかなる未来を願い、描く』です。カクヨムに投稿した時、もう誰かアマビエで書いているだろうと思ったら、意外と誰もいませんでした。一番乗りでした。やったね。
と、今年の創作は以上のような感じです。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
]]>カクヨムに長編を投稿したり、サイトでもしれっと短編などを公開したりしていますが、作業に追われてそれっきり、ブログでお知らせするのをうっかり忘れていることが多いですね。すみません。
そういうわけで、とっても久しぶりに、自分のサイトで連載です。
といっても、昨年11月にブログ上で参加していた企画『novelber』の続きなのですが……。
企画期間中に途中で付いていけなくなり、中途半端なところで終わってしましました。長編『あぶくは願う』を脱稿した後、ずっと気になっていたので書いていなかったお題をすべて書きました。よく考えたら、お題企画で全部のお題をちゃんと書くのは初めてだったかもしれないです。
書き終えたものの、企画はとっくの昔に終わっているし、どうやって公開しようかと思ってTwitterでアンケートを取ってみた結果、サイト+同人誌+電子書籍という形にしようと決めました。
で、忘れないうちに実行しなければと思い、まずはサイトでの公開となりました。ブログでの公開はあまり需要がなかったようなのと、今更感が自分の中でもあったので……。
そして、投稿サイトでの公開も、やはり今更感があるので、自分のサイトでのみの公開です。毎日日付が変わると公開されます。WordPressって便利ですね。まだまだ使いこなせてないですけど、導入してよかった。
地下都市SFの番外編ばかりでいずれも掌編なので、すぐに読めると思います。企画期間が11月だったので、夏になりつつある今、季節感を無視した話も多いですが、30日まで毎日楽しんで頂けたら幸いです。
同人誌と電子書籍については、今度の秋頃に発行できたらいいなと思っています。その前に『あぶくは願う』の同人誌も発行予定なので、そちらもよろしくお願いします。
COVID-19のせいで即売会は中止が相次いでいて悲しい限りですが、同人誌自体は発行していきたいです。
]]>同名の短編を昨年11月に公開していますが、その短編を膨らませるだけ膨らませたのが長編版になります。
昨年末から執筆していて、7万字程度の中編を予定していましたが、予定を大幅にぶっちぎって15万字以上になってしまいました(短編版は約1万字)。
カクヨムで公開しているのは約13万字。これはこれで完結していますが、公開するにあたって削ったシーンがいくつかあります。いずれサイトでも公開していく予定です。
削ったシーンを含めたいわば完全版は、今秋に同人誌として発行予定です。電子書籍も発行する予定なので、web版を読んで「完全版も読みたい!」と思った方は秋までお待ちくださいませ。
今回の『あぶくは願う』は自分史上一番辛くシビアな展開が多い話になっております。辛いのが苦手な方はお気をつけ下さい。
10万字を超える長編を書いたのは、多分『嘘つき王女と隻腕の傭兵』以来ではないかと思います。長い話を数年書いていなかったわけですが、書いている間は楽しかったです。辛い展開が多いですが。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
]]>こんなこともできるよ、という紹介です。
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記事作成中に一太郎2017から2020にバージョンアップしてしまいました。したがって、画像が一太郎2017のものもあります。
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一太郎さんでの組版のやり方は、ネットでちょちょいと検索かければ出るわ出るわ……というほどでもないような気はします。よく調べていないので分かりませんが、どちらかと言えばwordでのやり方を紹介しているサイトの方が多いでしょう。
わたしが初めて自分で同人誌を作ったのは、2016年。一太郎さんでも組版できるようだと知り、その方法をネットで調べ、自分の理想とするものに近づけるべく、試行錯誤しながら作っています。今でもまだ「これだ!」という形はできていませんが、基本的なところはかなり固まってきたので、そこら辺をまとめようと思います。
備忘録ではありますが、これから初めて一太郎さんで同人誌を作ってみよう、という方の参考になれば幸いです。
なお、この記事を書いているのは、小説を書くのが趣味で、同人誌も作っているという素人です。もっと効率のよい方法はあると思います。
最初は一太郎2017でのやり方を書いていましたが、書いている間に一太郎2020を購入したため、一太郎2020での方法になります。
長くなるので、以下に続きます。
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今回公開した『挑戦状の理由』は、2009年に創作仲間数名と結成した紙風船工房というサークルの会誌「紙ふうせん」の創刊号のために書き下ろした中編です。「挑戦」というテーマで書いたのですが、タイトルからして直球ですね。駆け出し剣士の少女が、とある理由から腕利き剣士に挑戦状を叩きつける、という異世界ファンタジーです。
このところシビアな感じがするものばっかり書いていて、鬱展開でつらい、などと言われることもしばしなになってしまいましたが、『挑戦状の理由』はライトでさわやかな感じのファンタジーです。安心してください。
発行から十年たち、サークルでの活動はもうしていないので、今回公開することにしました。
十年前の文章を自分ではもう読み返せないので、十年前に書いたまんまです。自分で読めないものを公開するのもなんですが、まあこういうものを書いたこともあったのよ、ということで。
さて、近況ですが、ちょっと前に公開した短編『あぶくは願う』に大幅に加筆修正しているところです。中編のつもりですでに書き上がっている予定でしたが、思ったより長くなってしまい、まだ書いています。
今秋に同人誌として発行する予定ですが、その前にサイトでも公開できたらいいな、と思っています。
そういうわけで、今年最初のイベント参加の告知です。前日ですが。
明日開催の、文学フリマ京都に委託で参加します。
預かってくださるのは、「く-33:Our York Bar」の泡野瑤子さん。地下都市SFの『少年よ、塵の中で躍れ』と『天体観測』の二種類です。それぞれ単独でも読めますが、二冊合わせて読むとより楽しめると思うので、未読の方はこの機会にお求めください。
泡野さんは読み応え抜群のシビアな展開多めの長編ファンタジーやほっこり現代ファンタジーを書かれる方です。どの作品もおすすめです!
それと、ブログで告知するのをいつも忘れてますが、先日『永坂残酷物語』のKindle版を発行しました。現在、絶賛無料キャンペーン中です。中身は紙版と同じですが、表紙は変えました。月曜日の午前中くらいまで無料なので、紙版を持っている人も持っていない人も、この機会にぜひ! 後味の悪い話ばかりを集めた、容赦のない短編集となっております。
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一年経つのがすっかり早くなりましたが、2019年の創作について今年もさっくり総括です。
当方、十数年前からwebでもそもそ活動していて、3年ちょっと前からオフライン活動も始めた物書きの永坂暖日(ながさか・だんぴ)という者です。
今年のイベント参加は、
2/17 コミティア127
3/21 第7回Text-Revolutions
4/6 うちの子が一番かわいい2019
5/6 第28回文学フリマ東京
5/12 コミティア128
8/25 第2回ちょこっと文芸福岡(個人委託)
9/8 第7回文学フリマ大阪
10/12 第8回Text-Revolutions(中止)
11/24 第29回文学フリマ東京
12/5 ちょこっとブックカフェ(委託)
でした。
え……書き出してみると、結構多いな(個人比)。去年の総括を先程読み返して、来年(2019年)はオフ活動は控えめにするとか書いてあったんですが、去年より参加してますね。控えめとは……。
さて、今年の遠征は一回だけで、大阪でした。初めての文フリ大阪でしたが、近づく台風のせいで早めに切り上げなければならず、台風でえらい目にあったわと思っていたら、それは単なる序章にすぎなかった……という顛末は、別の記事で書いています。簡潔に言うと、その後どえらい目に遭いました。
それはさておき、今年作った本は地下都市SFの『天体観測』と『少年よ、塵の中で躍れ』の2冊でした。その他としては、300字SSポストカード×2、無配ペーパー×1、コピー本×1冊、だと思います。
今年はあまり創作できてないな〜と思っていましたが、意外と作ってましたね(個人比)。ただ、今年書いたものを本にしたわけではないので、そのせいであまり創作できてないと思ったのでしょう。
自分で本を作る以外に、今年は二つもアンソロジーにお呼ばれして(光栄であります)、それぞれ一万字ほどの短編を寄稿しました。
・創作サークル「空想工房」さんの会誌『カケラvol.5』、ジャンル:青春、テーマ:秘密に、『キスのはだあい』を寄稿。SF青春ちょい百合っぽいものを書きました。
・作楽シンさん主催の終末アンソロジー『終わりの世界を君と歩く』、テーマ:終末に、『約束を鳴く鳥』を寄稿しました。地下都市SFです。
そんなわけで、わたしの記憶が確かであれば、今年書いたのはアンソロにお呼ばれして書いた短編2本、300字SS、テキレボアンソロ用に書いた掌編2本、途中で力尽きてしまったNovelbeで書いた掌編十数本くらいだと思います。
今年は集計していないので分かりませんが、数万字かな。去年より少ないと思います。Novelberは今年発行した地下都市SFの番外編を書いていたので、今年は地下都市SFを結構書いていたことになります。
こうして振り返ってみると、意外とがんばってるやん、自分(最近自分で自分をほめることにしている)。
しかし、長い話をちっとも書いていない。
去年に引き続き仕事が忙しく(暇になるのは数日くらい)、また、今年は十二国記の新刊が出るからと既刊を読み返したり、山岳遭難のドキュメント本に一時期はまったりと、読書している時間も去年より長かったので、結果書く時間が短くなったような気がします。
仕事の忙しさは来年もそう変わらないだろうから、できるだけ毎日、少しでもいいから書こうと思います。
☆来年の抱負と予定
去年から着手して、今年とっくにできあがっているはずだった和風ファンタジーを書いている最中なので、まずはそれを書き上げること。元は、秋の文フリ東京で頒布したコピー本『あぶくは願う』です(サイトで読めます)。それに大幅に加筆しているところです。七万字くらいを目指してます。
それが終わったら、やっぱり去年書き始めて頓挫した異世界ファンタジーを完成させたいです。数万字書いたところでスランプになり、そのまま放置してますが、プロットはあるので来年は書ける気がする。こちらは十万字程度を目指しています。
それ以外に、短編掌編を即興でいいから気軽に書いていきたいな〜と思います。
竜をテーマにした短編集も作りたいですね(仮タイトルは『永坂ドラゴンズ』)。
イベント参加は、来年こそ控えめになる予定です。
5月と11月の文フリ東京、11月のText-Revolutionsは出る予定。ただ、5月文フリは申し込み済みですが、個人的事情でもしかしたらキャンセルするかもしれないです。
あとは、10月の文フリ福岡に出ようかどうか、迷っているところです。九州出身なので、一度九州で自分の手で頒布してみたいんですよねえ。
今年の振り返りと、来年の抱負や予定はこんな感じです。
今年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。
]]>前日、前々日と雨で、当日も雨が心配でしたが、なんとか雨は降らず。10時にサークル入場開始しますが、待機列が長いので少し時間をずらそうと思って10時15分頃に到着。ところが、その時間でも会場外まで人の列が。でもエスカレーターまですぐだし〜と思ったら、その前に一度左に折れて奥まで列が続いていましたね……。待機列に気付かなかったのか、後から来てまっすぐエスカレーターに進む人もいましたけどね。何人かいましたね。
エスカレーターを降りたところで誘導がうまくいっていなかったのか。ちょっとした人の渋滞が起きていて、あれは危ないと思いました。
さて、そんな感じだったのでブースにたどり着いたのは10時半くらいでしたか。今回は「Our York Bar」泡野瑤子さん、「夢想甲殻類」木村凌和さんとの三連結だったのですが、お二人はとっくにいらしていて、設営もほぼ終わっているようでした。
急いで設営開始。今回は自作のディスプレイ棚は使わず、前日に作った平置きのPOPを使いましたが、ディスプレイ方法を考えていなかったので、とりあえず横一列に並べるだけというあっさりしたものに。しかし、今回は一列に並べるしかなかったかな。
とりあえず陳列したところで、11時前。見本誌もまだ出していないし、何なら切り取りさえしていない。しかもハサミはなかった。でも凌和さんが持っていたので大変助かりました。
見本誌を用意している間に開場し、開場後に見本誌出しに行ったのは初めてでしたね。次はもうちょっと早く会場に着くようにしようと思いました。反省。
設営しているときから感じていましたが、昨日は暖かい、というか暑いくらいでした。ドタバタしていたからなおさら暑かった。見本誌提出して戻ってきて、ようやく一段落……したところで、お客さん登場。いつも最初の一時間くらいはのんびりまったりだけど、今回は早いうちから次から次に人が来て、なかなかの忙しさでした。
凪野基さんから預かっていた『星に願いを、鏡に愛を』が昼前には完売。早い。最近はそんなに出ない『嘘つき王女と隻腕の傭兵』も次々出ていく。何故? 過去の実績を元に持ち込み数決めているので持ち込み数少なくて、結局2冊あった見本誌までもらわれていきました。『魔女の婿取り』も持ち込み分は完売したし、文フリ東京初頒布の『少年よ、塵の中で躍れ』も持ち込み分完売で、今回の文フリ東京は過去最高の総頒布数となりました。なぜそうなったのか、原因は分からない……。終末アンソロジー『終わりの世界を君と歩く』も預かっていたからかな。
とにもかくにも、立ち寄ってくださりありがとうございます!
撤収後は、有志でタピオカを飲みに行きました。これが人生初タピオカでしたが、モッチモチでした。そして、カップの底にタピオカだけが取り残された……上手に飲むの難しいですね。タピった後はそのままご飯食べに行って、創作話で盛り上がりました。楽しかったです。
年内の直参イベントは昨日で終了しました。今後の予定ですが、委託で12月5日の「ちょこっとブックカフェ」に参加します。来年は2月のコミティアに申し込もうと思っていますが、抽選になるだろうから参加できるかは未定です。5月の文フリ東京に申し込んでいて、11月のテキレボに参加予定ですが、それ以外は今のところ未定です。
BOOTHで通販しているので、気になる本がある方は是非ご利用ください。Amazonで電子書籍も配信しています。
]]>「そういう『寒い』とはちょっと違うんだよ、地上の『寒い』は」
「犬飼君、何でそんなこと知ってるの? 地上に出たことないでしょ」
そもそも、地上に出られるのは限られた職種の人だけで、許可なしで地上に出るのは禁じられている。
「いや、ほら、従兄弟が空調局の整備士だし、和樹がそう言ってたし」
「ふーん」
熱が出た時の、ぞくぞくする寒さと違うと言われても、いまいちよく分からない。ただ、このまま季節が進むと更に寒くなり、雪が降ることもあるという。整備士は、そんなときでも地上に出てメンテナンスしなければならないから大変だ。
「和樹君、寒くないのかな」
「冬用の防護服があるんだって。それでも寒いときは寒いって言ってたけど」
それより、と犬飼君が首を傾げる。
「地上に興味があるのか? ……それとも、和樹に?」
「……別に、友達のことを知りたいと思うのはふつうじゃない?」
「ふーん」
幸いにも、そこで始業のチャイムが鳴ったのでそれ以上聞かれることはなかった。
地下都市では、冬でも夏と着るものは変わらない。半袖か薄手の長袖だ。寒がりな人は重ね着をしているけれど、地上時代のようにセーターを着たり、コートを着たりはしない。
調べたところ、セーターもコートも売っていないことはないようだけど、びっくりするほど高かった。とてもではないが、買えない。
はるか昔は、毛糸でセーターやマフラーを編んでプレゼントをするという風習があったらしい。
ならばと思って手芸品店のサイトを見てみたら、毛糸は毛糸で高かった。バイトをかなり頑張れば、合成繊維の毛糸を買えなくはないが、羊やウサギなどの動物の毛糸は、逆立ちしても無理だ。だいたい、編み物をしたことがなかった。
うなりながらベッドの上を転がる。
先日遊んだとき、さりげなくシフトを聞き出したので、彼が今頃地上に出ているのは分かっている。
寒くないだろうか。寒いかもしれない。でも、どれくらい? どうやって、寒さをがまんしているのだろう。
毛糸のセーターは無理だ。かといって、地下都市では寒さに備えた服はほとんど売っていない。
いいアイデアが浮かばないまま転がっていたら、いつの間にか眠ってしまった。
夢の中で、彼とお揃いのセーターを着て地上に立っていた。
]]>今日は目覚めもよく朝食も残さず食べ、ご機嫌な様子で着替えてくれた。が、ご機嫌すぎて少しもじっとしてくれない。
足の間に座らせて髪を結ぼうとするのだが、父の足をバシバシ叩きながらゆらゆらと頭を動かすので、艶やかでなめらかな髪が、するりと指の間から逃げていく。二つ結びにするだけではすぐにほどけてしまうので、できれば編み込みにしたいのに。もっとも、編み込みにしても、結局、元気よく動き回ってぼさぼさになってしまうのだが。
「おとーさん、はやくおしごといかないと、ちこくするよー」
まだまだ舌足らずなしゃべり方で、いっちょ前なことを言う。お父さんがお仕事に行けないのは自分のせいだと露ほども思っていないのがおかしくて、苦笑する。
動く頭を追いかけつつ、なんとか髪を編み込んでいく。左右だいたい均等にできた。自分の髪を結んだことさえないのに、やればできるものだと、我ながら感心する。
亡き妻ならもっと上手にできたかもしれないが、それでもよくできたと言ってもらえる出来映えだろう。娘も満足そうに玄関へ走っていく。
「蒼乃。お母さんに『行ってきます』は?」
早々と靴を履いて出て行こうとする娘の小さな背中に声をかける。娘は玄関に飾ってある写真に向かって、いってきます、と元気な声で手を振った。
「――行ってきます」
自分も写真に声をかける。今日は上手に編み込みができているだろう、とついでに胸中で呟いた。
数年前、生まれたばかりの娘と初めて撮った家族写真。幸せそうな顔の妻が、いつでも出かけるのを見守ってくれている。
※『少年よ、塵の中で躍れ』番外編
]]>ずっと実家にいたけど、大学に進学してからは食事を作ったり洗濯をしたりと、家事はしていた。両親と弟の家族四人分の家事を、毎日ではないもののしていたのだから、自分一人分などわけないと思う。不安になるのは、一人になるからだ。当たり前のようにそばにいた家族と離れるから、寂しいのだ。
もうすぐ社会人になろうとしているのに、一人暮らしを始める前からホームシックにかかりかけているなんて、恥ずかしくて家族にも言えないけれど。
「荷造りは――まだ終わらないみたいね」
換気をよくするため、部屋のドアは開けっ放しにしていた。部屋の入り口で呆れ顔で笑っていたのは、母だった。
「明後日には引っ越し屋さんが来るのに、間に合うの?」
「間に合わせるから大丈夫」
「アルバムを見る余裕があるものね」
段ボールだらけの部屋に入ってきた母が、ますます呆れた顔になる。
荷物を詰め込んでいる最中に昔のアルバムを見つけたのだ。子供の頃のアルバムを見るのは久しぶりで、ついつい見入ってしまった。
「あんた、これも持って行くの?」
積み上げられたアルバムの、一番上に載っていたものを母が左手で取る。それは、わたしよりもずっと年上のアルバムだ。
「それは持って行かないよ、さすがに。アルバムをまとめて引っ張り出したら、発掘しちゃった」
母が無言でアルバムをめくる。わたし以上に懐かしい気持ちになっているかもしれない。それは、母のアルバムだった。
母の手があるページにさしかかる。日常を写した写真が多い中、そのページは他よりも華やかだ。
「それ、七五三の写真でしょ。母さんと一緒に写ってる男の子は父さんだよね?」
両親は幼なじみ同士で、祖父母同士の仲も良かったと聞いている。家族ぐるみで付き合いがあったのだから、七五三も一緒にやったのだろう。
「そう。今と全然違うでしょ」
「千歳飴の袋がなんかくたびれてるね」
「はしゃいで振り回した後だからね」
写真のそばには、手書きのタグが付いていた。『恵理、トモくん三歳。今谷八幡宮にて』
「お義母さんが怒っていたのは、なんとなく覚えてるわね」
「おばあちゃんたちも若いね。母さんの方のおばあちゃんは、母さんに似てる。やっぱり親子なんだね」
「そうね。それより、荷造りしなさい。アルバムはいつでも見られるんだから」
「はーい」
母が閉じたアルバムを山の一番上に置く。
その上にわたしが持っていたアルバムを重ねてしまい、二日後の朝、すべてのアルバムを同じ段ボールに慌てて突っ込むことになった。
]]>どうやら穴の中にいるらしく、その縁は簡単には届きそうにない上方にあった。穴の内側は古びたコンクリートで、所々はげ落ちて土が露出している。
星も月も望めない夜に周囲の様子が見えるのは、手足に取り付けた極薄型ライトのおかげだった。バッテリーが切れたのか衝撃で壊れでもしたのか半分ほどは点いていないが、周囲の様子は分かる。
ヘルメットにはヘッドライトを装着していた。それは無事あるだろうかと手を動かそうとして、うめき声を漏らした。右手も左手も無事とは言い難いが、付いてはいるらしい。
一度痛みに気が付くと、全身痛くないところなどないことが分かった。
右の二の腕は折れている。右足も折れていて、左足はついているが、ほとんど感覚がない。痛みがまだましな左手は折れているところはないようだ。
その左手で体をゆっくりと探る。ヘルメットもマスクもなくなっている。防護服もぼろぼろで、あちこちが血で濡れている。濡れているのが分かるのは、手袋が大きく破けていたからだ。
満身創痍という言葉がふさわしい状態だった。手足の骨だけでなく、たぶん肋骨も折れている。マスクがないせいで喉はやられ、目もかすむ。
助けを呼ぼうと、防護服の左腕に取り付けられている薄型端末をのぞき込んで、舌打ちした。画面が暗い。歯を食いしばって右手でいろいろと操作してみたが、端末はうんともすんともいわなかった。
あきらめて穴の縁を見上げる。端末が生きていたところで、深いポケットみたいな穴の底では、電波はどこにも届かないかもしれない。
そもそも、電波が届く距離に自分がいるのかどうか。――いや、いないだろう。電波が届く場所にいたなら、夜になる前に同僚たちが見つけてくれたはずだ。
なにせ、自分は全身にライトを取り付けて、それを光らせていたのだから。
無人兵器を引きつけるのには成功した。その間に、同僚が応援を呼びに行くのも確認している。応援が駆けつけるまでのわずかな間、持ちこたえればいい。
そう思って一人応戦していたが、目の前に気を取られ、背後から他の無人兵器が近付いているのに気付くのが遅れてしまった。そいつの足に捕まり、引きずり回されたのは覚えている。
引きずられているうちに穴に落ちたのか、落とされたのかは分からない。その前に意識を失ってしまった。
不幸中の幸いというべきは、その無人兵器の気配がないことだろう。引きずられている間になくしたらしく、武器は何一つ残っていない。しかし、この傷では、敵がいなくても長く保ちそうになかった。
左腕をゆっくりと持ち上げる。端末は暗いままだが、腕に取り付けたライトの一部がついている。白い明かりに、防護服の赤が鮮やかだ。
目立つため、無人兵器の目を引きつけるための赤だが、別に、我が身を犠牲にするつもりはなかった。同僚たちが応援を呼びに行く隙を作るためではあったが、それ以上のつもりはない。いつだって、応援に駆けつけた同僚と共に帰るつもりでいたのだ。
今はなおさら、帰らなければならなかった。帰らなければ、きっと彼女は泣くだろう。
それとも、もう泣いているだろうか。意識をなくしてから気が付くまでそれほど長くはなかっただろうが、心配しているに違いない。
心配させまいと思ったのに。もう泣かせたくないと思ったのに。
病院のベッドに横たわったまま、おそるおそる伸ばされた手。初めて地上に出たときの驚いた顔。誕生日のプレゼントを受け取ったときの嬉しそうな表情。下の名前で呼んでくれと言っても、恥ずかしいといつも断られた――出会ってからの思い出が、取り留めもなく溢れてくる。
帰りたい。帰らなければならない。思い出の数はまだまだ少ないのだ。それに、どうせ泣かせるのなら嬉し泣きをさせたい。そして、そのどさくさに紛れて頼むのだ。下の名前で呼んでくれ、と。
はにかむところを想像して口元が緩む。
――やがて、限界を迎えてライトも消え、穴の底に暗闇と静寂が満ちた。
※『あるいはそれよりも鮮やかな』番外編
]]>車が行き交い、歩道の幅も十分にある、三区の中でも大きな通りの一つだ。通り沿いには商業施設や空調局などの行政機関の他に、病院がある。
三区でも有数の病院であるそこは、空調局職員もよく世話になっている。最初に運び込まれたときのことは覚えていないが、その後何度か、足を運ぶことになった。
空調局の職員――整備士があの病院にかかるのは、たいがい地上で何かが起きたときだ。
喉がすっかり治った今でも、あの病院の前を通るのを自然と避けてしまう。前を通ると悲しい最期を思い出してしまう。
気にしなくなるには、まだ時間がかかる。
]]>地球外都市として歴史が長いのは月面だが、技術的にも意識的にも先を行くのは火星だ。
火星を拠点として、火星生まれの、火星人とも言える人類は、地球より更に遠い星へと手を足を延ばしている。カイパーベルトを越えて、その先へ。火星も、月も、人類の故郷たる地球を顧みることなく、ここよりも遠い場所へ。
月面都市の方が歴史が長いといっても、その差は十数年。建設・開発はほとんど並行して行われたといっていい。それでも、月面の人間は、火星に住む人々ほど、遠い宇宙へ意識を向けてはいない。
それはひとえに、地球が肉眼で見えるからだろう。今では塵に覆い尽くされた灰色の星。交信さえも途絶え、祖先を共にする人々がどうなってしまったのか分からない。
火星の人々のように、いつまでもこだわっていないで宇宙の果てに目を向ければいいのかもしれない。地球しか知らなかった頃、人類はいつでも宇宙を見上げていたのだから。
けれど、目の前にある灰色の惑星は、いつか美しい青い星に戻るはずだ。きっとそこには、生き延びた人類の姿も。
地球から宇宙を見上げたとき、夜空で一番明るく輝く月に誰もいないと知ったらがっかりするに違いない。
ずっと待っていた。そう言うために、終わりかけの都市で、地球を見守っている。
]]>「お疲れさま。雨が降ったそうだね」
「藤原さん。お疲れさまです」
不運にも、今日のメンテナンス当番だったのは堀川だ。
「雨といっても、時雨というやつですね。降ってもそれほど降らなかったから、助かりました」
デスクに戻った堀川は、疲れた様子も見せない。新人の面倒を見ながらだから、疲れないはずはないだろうに。
「むしろ、良かったですよ」
「良かった? 雨が降って?」
「江田君、初めて雨を見たって喜んでましたから」
江田は、右も左も分からない空調局に放り込まれた、中央から来た幹部候補生だ。いったい何故こんなところへ来たのか知らないが、本人も不本意な異動であったのは見るからに明らかで、地上に出るのも嫌そうだ。
「それは……良かった、と言っていいのかな」
「子供みたいに喜んでましたよ」
「……まあ、いいか。嫌なことばかりじゃ、江田も辛いだろう」
堀川にとっても、良かったのかもしれない。ほほえましいものを見たような顔をしていたから。
]]>期末試験初日を乗り切り、翌日に備えるため、友人とのお喋りも寄り道もせず、塾に向かっていたときだった。
学校から塾に直接行くには、五階分の抜きぬけになっている、円形の吹き抜け広場(そのまんまのネーミングだ)を通り抜けるのが早い。広場の円周には等間隔にベンチが置いてあって、それはすべて、中心にある噴水の方を向いている。ベンチと噴水の間は十分に広く、小さな子供が元気に駆け回ったり、のんびり犬を散歩させたりしているが、平日の昼間は、休日と違って人の数は少なかった。
休日ならほとんど埋まっているベンチにも空きが多い。だから、一人ポツンと座る若者の姿は、いやでも目に付いた。
見知った顔だったせいでもあり、その知り合いが何をするでもなく、ぼんやりと座っているように見えたせいでもあった。
クラスメイトの犬飼くんが、皆で遊ぼうと集まったある時連れてきた、彼の友人。わたしたちと同じ歳なのに、もう空調局で働いているという男の子。
何度か一緒に遊んでいるが、特にこれといって目立つところはない。口数は多くはなく、おとなしいというよりは落ち着いていた。すでに社会人として働いているから、わたしたちより大人びているのかもしれなかった。
でも、広場のベンチでぼんやりしているのは、落ち着いているを通り過ぎてしまっているだろう。仕事の都合で平日が休みになることもあるらしいけれど、それにしたって、学校に行っていれば中学生が、ただベンチに座っているだけはいかがなものか。
このまま進むと、彼の前を通り過ぎる。先を急いでいるし、挨拶だけしてこのまま行こうと思った足は、彼に近付くに連れゆっくりとなり、やがて止まってしまった。
数メートル先に、ベンチに座る彼の横顔があった。前を見ている彼は、わたしにはまだ気が付いていない。気が付きそうにもない表情だった。
平日だけど、広場にはちらほら人の姿がある。小さな子供が数人、親に見守られながら遊んでいた。彼は、噴水を挟んだ向こう側にいる、その子供たちを見ているようだった。
子供好きなのかと思ったけれど、なんだかそうとも思えない。横顔はわずかに微笑んでいるようにも見えるけれど、それ以上に、ひどく切なそうだった。
楽しそうに遊ぶ子供たちを、どうしてあんな顔で見つめているのか、さっぱり分からなかった。ただ、通り過ぎざまに挨拶をして、世間話がてらその理由を聞き出すなど、とてもできそうにない雰囲気だった。
あの横顔が忘れられず、どうしてあんな顔をしていたのか気になって仕方なくて、彼についてほとんど何も知らないことに気が付いて、知りたいと思ったのは、その時からだ。
でも、まだ彼から何も聞けていない。
]]>割と温厚な歳の離れたあの従兄弟が、あんなに怒ったのを見たのは初めてだ。両親にだってあんなに怒られたことはない。
ただ、それだけのことをしてしまったのだと、分かっていた。もちろん、反省もした。死ぬほどした。二度と地上には行きませんと誓ったし、友人を巻き込まないと約束もした。
「……大城さんの気持ちも、分かってやれよ」
ソファで隣に座っている友人に肩を叩かれる。休みの日なのに先輩職員の家に呼び出された友人は、一緒に今までずっと怒られていた。にもかかわらず、慰めるような口調だった。
「分かってる。分かってるよ……」
従兄弟がなぜあれほど怒ったのか、分かっている。理由を知っている。
従兄弟はたいそう怒っていたが、同時に呆れ、嘆きもしただろう。なぜ地上に出てはいけないのか、身内にまったく伝わっていなかったのだから。
「蒼平兄さんには悪いことをしたな」
「反省したのは伝わってるさ」
「うん……」
想像以上に寒かった地上。墨で塗り潰したように真っ黒な世界。月も星も何も見えない。それでも、シリウスを見た気分になった。
けれど、あの時の忘れがたい気持ちに蓋をする。あれは、本当は禁じられた、味わってはならないものだから。
※『天体観測』番外編
]]>残業になることはあるが、過密に働いているわけではない。休日もちゃんとある。それでも、一度ゆっくりと休め、と言われた。「あの一件」があって色々と疲れただろうから、と。
有給と休日をあわせて一週間休むことにしたが、別段予定はなかった。体を休めるだけなら、家でじっとしておけばいい。ただ、それでは気分転換にはならないので、何かないかと考えた末、映画を見に行くことにした。
テレビをぼんやり見ていたら、彼女が見に行きたい、と言った映画のCMがあったのだ。
彼女とはほとんど同棲しているようなものだったが、勤務はシフトせいだったので、休みはなかなか合わなかった。たまに休みが重なれば外でデートをした。ぶらぶらと街を歩くだけも多かったが、彼女の観たい映画があれば、それを見に行った。前もって観たいものがわかっていても、前売り券は買わなかった。
今日は、当日券を一人分だけ買った。
彼女がVRや3Dは酔うというので、いつも2D映画だった。今日もそうだ。
2Dでは臨場感が物足りないという客が多いので、観客席は埋まっている席の方が圧倒的に少ない。
照明が落とされ、スクリーンに映像が映し出される。彼女が観たいと言っていたのは覚えていたが、どんなあらすじなのか、まったく把握していなかった。いつもそうだった。観たい映画は彼女が決めていた。それで十分に楽しめたので、今回もきっと楽しめるだろう。
小惑星衝突直後の時代を舞台にした映画だった。大混乱の中、たまたま出会った人々が力を合わせて困難を乗り越えていく、というストーリーのようだ。主役の男女二人は、協力するうち惹かれ合うが、他の仲間との関係や感情、思惑が絡み合い、簡単には結ばれない。
彼女はハッピーエンドの映画が好きだった。作り物の世界くらい、せめて幸せであったほしい、と。ネタバレも気にしなかったので、口コミを事前に調べていた。
厳しい時代を舞台にしているが、だから、この映画もきっとハッピーエンドになるのだろう。
主人公たちの前に立ちふさがる困難は多い。仲間にも裏切られる。それが最も信じていた人によるものだったから、主役を演じる女優は言った。なんで、と。
途端、頭の中に彼女の声と表情が甦る。何度も繰り返される。なんで。なんで。なんで……。
休めと言ったのに。辞めたらどうかと言ったのに。なんで、休まなかった。なんで、辞めなかった。なんで、最下層への移住を望んだ。なんで――。
いつの間にか、スタッフロールになっていた。早々と席を立つ客もいる中、彼は館内が明るくなるまで、じっとスクリーンを見つめていた。頬に伝うものを拭いもせず。
※『地上を往く』番外編
]]>だってどう考えたっていかれている。殺戮兵器が闊歩する地上で、どこからどう見ても目立って仕方がない真っ赤な防護服を着ていたのだから。
中層生まれながら苦労して最下層の大学に入学した俺は、在学中も死ぬほど頑張って、幹部候補生として中央省庁に採用された。それと同時に最下層の移住権も手に入れて、両親兄弟を引き連れて最下層へめでたく移住。国土建設庁に配属され、これから出世街道を邁進するのだと意気込んでいた――はずなのに、俺は、なぜか今、内部部局の一つである空調局の、よりによって一番地上に近い支局にいる。
上司には、色んな現場を経験するのはきっと君自身のためになる、と言われたものの、今回、同期で中層より上に異動したのは俺だけだ。
その時点でも左遷されたのかと不安を覚えたのに、支局長付きという肩書きを与えられた俺は、人手が足りないので誰でもいいからほしいという部署へ、君そこでしばらく頑張ってよ、と送り出されたのである。
そこは、所属している職員のほとんどが空調設備の整備士だった。そんな知識も技術も持っていない俺は全くの専門外だ。これでは猫の手にもならない、と追い返されるのを少しだけ期待していたが、俺の教育を任された堀川という整備士は、不満そうな顔をすることもなく、じゃあこれからよろしく、と淡々と言ったのである。
冗談の一つも混じらない、業務内容についての堀川さんの説明は、淡々としているのもあって、かなりの緊張と苦痛を強いられた。なので、ともあれ地上に出てみよう、と言われたときは、退屈な話が終わるのなら何でもいいと喜んだものだ。
自分の置かれた状況を一時忘れたのも束の間。地上に出るためには、体すべてを防護服とマスクで覆わなければならない。仰々しい格好になると、普段は意識していない「危険な地上」を嫌でも意識する羽目になった。最下層への移住を果たし、幹部候補としてこれから着実にキャリアを積み重ねて行くはずだったのに、俺はなぜ、今、防護服を着て地上にいるのか。
しかも堀川さんは、淡々として退屈な説明をしていた人とは思えない、ど派手な赤の防護服を着ている。俺のは薄汚れた感のある白なのに。堀川さんは、地上に出ると、何かスイッチが切り替わってしまうのだろうか。というか、あんな鮮やかな赤の防護服があるんですね。
それよりも、あんな真っ赤な防護服を着る人に任される俺は、やはり左遷されたのだろうか。このまま中央に戻れず、真っ赤な防護服の堀川さんと一緒に空調設備のメンテナンスをする日々は、あまり想像したくない。なにより地上に長居したくない。
そんな俺の心中を知る由もない堀川さんは、見た目の派手さと裏腹に、先ほどと変わらず淡々としていた。
大昔に小惑星が衝突したせいで、地球は塵に覆われ、大気は汚染された。地上の風景は、堀川さんの口調以上に淡々としていて味気なかった。大気が汚染されてなくても、長くいたいと思うような場所ではない。
だからというわけではないだろうが、堀川さんは、地上の設備を簡単に説明しただけで、中へ戻ろう、とすぐに言ってくれた。
「整備の仕事は、少しずつ覚えていけばいいから」
防護服を抜いてマスクを外し、抗議を受けていた会議室に戻ると、堀川さんはそう言った。やはり覚えるしかないのか、と密かにため息をこぼす。
「――それとも、使えない奴だ、と追い返す方がいい?」
ぎょっとした。それは、ため息がばれたからでもあったが、控えめではあるものの、堀川さんが苦笑いしていたからでもあった。
「でも、優秀だと言われる方があなたのためになると思うし、現場に知り合いがいるのは、将来役に立つと思うよ」
今度は、苦笑いではない、微笑だった。当たり前かもしれないが、淡々としていても、笑うのだな。
「……これから、よろしくお願いします」
「こちらこそ。今日はお疲れさま。上がっていいよ」
髪をかきあげ、堀川さんが言う。
お疲れさまですと返した時、彼女がピアスを付けているのに気が付いた。透明な丸い石。トパーズだろうか。
なんとなく、アクセサリーの類は付けない人かと思っていたので意外だった。トパーズが透明だったのも。てっきり、赤が好きなのかと思っていた。
けれど、透明なトパーズは、淡々としている堀川さんに似合っている。防護服とマスクを付けていると見えないけれど、あの赤い防護服にも、案外合っているかもしれない。
堀川さんが赤い防護服を着ている理由や、トパーズのピアスに贈り主がいることを、俺はこの時まだ知らなかった。
※『あるいはそれよりも鮮やかな』番外編
]]>今回もそうだ。まあ、今回の来客は、今のところ眠り続けているが。
自分のベッドに寝かせた子供は十五歳ほど。名前も知らない、見ず知らずの少年だ。
最初に自分が見つけた以上、途中で放り出すのは気が引けたし、こんな子供がいったいどうして地上をたった一人で歩いていたのかも気になるので、秋香が自宅に引き取った。
見つけて以来、病院でも、秋香の家に連れ帰る途中でも、少年は一度も目を覚まさなかった。よほど疲れているのだろう。
秋香はよく見知った自分の部屋を見回した。普段から気を付けているおかげで、物音を立てて片付けをしなければならない心配は無用だ。とはいえ、まったく片付けをしないわけにもいかないだろう。
クッションや座布団の位置を整え、机の上に投げ出していた書類やチラシを整理する。
この際だからついでに片付けようと、引き出しを開けた。いつか必要になるかもと突っ込んだまま結局使っていない小物や、どこかでもらったノベルティなどが出てくる。
いつの間にかため込んでしまっていたな、と苦笑していたら、その更に奥から、懐かしい物が出てきた。
まだ取っていたのか、と自分に驚く。別れた恋人に、かつてもらった手紙。引き出しの奥底に仕舞っていて、今まで存在を忘れていたのに、内容は何となく覚えていた。今となっては、読む方も恥ずかしくなるような内容だ。
書いた本人は、少年を運ぶのを手伝ってもらったので、さっきまでこの部屋にいた。昔の手紙がここに残っていたなど、思いもしなかっただろう。見たらおそらく恥ずかしくて彼も悶絶するだろうから、知らない方がいいだろうが。
この手紙をもらった頃、読み返していた頃は、恋しいという気持ちを人並みに持っていたな、と思い出す。思い出すが、当然、あの頃の感情は甦らない。
こんな手紙が、見ず知らずの少年の目に触れては大変だ。
秋香はいらない封筒の中に手紙を入れてきちんと封をし、ゴミ箱の奥底に入れた。
※『少年よ、塵の中で躍れ』番外編
]]>「人が運転する車が走ってたなんて、危なっかしいなあ」
まだうっすらと湯気が立ち上る芋にかじり付く。ほくほくとしていて、とても甘い。
彼と彼の祖母は、公園のベンチで焼き芋を食べていた。
この公園では、焼き芋や焼き栗を売る車が走行している。もちろん自動運転の無人販売車だ。車の安全装置はしっかりしているし、公園の管理者が遠隔で監視をしているはずだから、ベンチに座っている彼ら突っ込んできたりはしない。
ただ、街中では販売車は見かけない。こういう車は、商業施設や公園で営業するものなのだ。
「それよりももっともっと昔は、落ち葉を集めて、その中に芋を入れて焼いていたらしいよ」
「落ち葉? そんなに葉っぱが落ちてるものなの?」
もう一かじりしようと大きく開けた口から、そのまま疑問と驚きが転がり出る。隣に座る祖母が、ふふ、と楽しそうに笑った。
「落ちていたのよ、地球ではね。街中で物を燃やすのは禁止されていたから、落ち葉で焼き芋はできなかったけどね」
色んな色や形の葉っぱを集めたものだわ、と祖母は懐かしそうに言って、目線をずっと上に向けた。
遙か高い位置に、横長の窓があった。その向こうに広がるのは黒い空と、ぽっかりと浮かぶ灰色の惑星――地球だ。
彼の祖母は子供の頃、あの灰色の惑星で暮らしていた。彼が物心付いた頃には地球はすでに灰色だったが、大人たちが言うには、昔は青いマーブル模様のそれはそれは美しい星だったという。
彼の母が今の彼と同じくらいの歳の頃、祖母や母たちは家族旅行で月面都市を訪れていた。その旅行中、地球に小惑星が衝突したため、地球は塵に覆われて灰色になり、祖母たちは戻れなくなった。
月面都市にも木はあるけれど、落ち葉はほとんど見かけない。清掃ロボットが常に走り回っているし、そもそも落葉が少なくなるよう改良されているのだ。
「今は地球歴では秋でしょう。こういう公園には木がたくさんあって、道が見えなくなるくらい葉っぱが落ちたりしていたものよ」
灰色の球体を見つめる祖母の目は、懐かしさで満ちている。母も同じような目で、時折地球を見上げている。
「今は、どうなっているのかしらねえ……」
彼は学校で、今の地球は塵で覆われているため日光が届かず、気温は下がり植物はほとんど育たず、大変厳しい環境になっているだろう、と教わった。塵に覆われているせいで、地球の人たちと連絡を取り合うこともできなくなってしまった。
落ち葉どころか、木は枯れてしまいもう一本もないかもしれない。それでも。
「――きっと、みんなで頑張ってるよ。月でも生きていけるんだから。今頃、僕たちみたいに焼き芋を食べてるかも。サツマイモは秋に穫れるんでしょ?」
「そうねえ、そうかもね」
きっとそうだといいね、という祖母の言葉にうなずきながら、残り少なくなった焼き芋を口の中に放り込んだ。
]]>その「いつか」は、中身の菓子を一緒に食べた一人娘が、半ば家出同然で独り立ちした後に、訪れた。
地下都市で最も安全で空気が清浄とされる最下層で生まれ育ちながら、地上に最も近く空気の汚い表層に行きたい、何なら地上へ出てみたい――ごくふつうに育てたつもりなのに、彼女と夫の娘はそう言った。
人類が地下都市で暮らしているのは、地上で生きていけないからだ。暗く寒く、何より、空気が汚染されている。そんなところへ行って何をするというのか。彼女も、夫も反対した。地上へ近い階層への移住にも、もちろん反対した。
上層で生まれた人間が、下層へ移住するのは簡単ではない。せっかく最下層で生まれたのに、なぜあえて上へ行きたいと望むのか、彼女には理解できなかった。夫も同じだ。
だから、娘は出て行った。
自分を理解しない両親に見切りをつけてしまったのか、と落胆していた頃、届いたのが一枚のはがきだった。このご時世、わざわざ紙の手紙を送るのかと呆れ半分、無事を知らせる手紙を送ってくれたことに喜び半分。
地上に近付きたいと望んだ娘だからこそ、あえて紙で手紙を送ることを選んだのかもしれなかった。
限られた紙面につづられる近況は、月に一度、律儀に届いた。少しずつ増えていくそれを保管するため、役目を待ち続けていた菓子の空き箱がとうとう日の目を見たのである。
娘が出て行ったのを未だに怒っている夫は、はがきが届いても手に取ろうとしない。けれど、空き箱にはがきが保管されているのを夫は知っている。届いたはがきを入れようと箱を開けて、重ねられたはがきの位置が微妙に変わっていることがあるのを、彼女は知っている。
本当は気になって仕方がないくせに。最近は、特に。
彼女は苦笑して、届いたばかりのはがきを読み返す。上層で暮らすなんて大丈夫なのかと心配していたが、どうやら元気にしているらしい。最近では、恋人ができたようだ。空調局で働く整備士だとか。
親にとって子供はいつまでたっても子供だが、いつまでも小さなままではないのだ。
娘は今のところまだ一度も帰省していないが、いずれ帰省するとき、果たして一人で帰ってくるだろうか。それくらい想像する余裕が、彼女にはできていた。でも、夫はどうだろう。
一番上に届いたばかりのはがきを置いて、そっとふたを閉めた。
※『少年よ、塵の中で躍れ』、『この花がある場所』番外編
]]>窓際の壁に背中を預け、ぼんやりと窓の外に視線を向けている彼の視界の半分ほどは、ベランダだった。そのせいで、窓から見える外の景色はかなり限定的だった。
ただ、開放感がないのは、彼の気持ちの問題だろう。朝、目が覚めてから、朝食はレトルトでごく簡単に済ませ、それからずっとこうしている。立ち上がって、ベランダに出ることさえ億劫だったのだ。ガラス一枚で隔てられた外の空気を吸おう、そういう気持ちさえ沸いてこなかった。
人工太陽から注ぐ光は刻々と変化し、部屋に延びるベランダの影は気が付けば移動している。白かった光はすっかり赤みを帯びていた。外からはかすかに、夕方のにぎやかさが聞こえてくる。
立ち上がる気力さえ沸かない彼を置いて、時間は流れ、世間は日常を過ごしている。
早くその流れの中に戻らなければならない。それはわかっている。わかっているけれど、彼がここで得たささやかな日常には二度と戻れないのだ。ただいま、と玄関をくぐる人はもうどこにもいない。
それでも――大切なものが欠けてしまった日常に、戻らなければならない。
和樹はようやく、重い腰を上げた。
※『少年よ、塵の中で躍れ』番外編
]]>綺想編纂館(朧)(@Fictionarys)さんがツイッターで発案された企画で、11月1日から30日まで、その日のお題に沿った小説を投稿する、というものです。↓参照。
https://twitter.com/Fictionarys/status/1188445690122268673?s=20
企画の存在を知ったのが10月末で、準備期間がほとんどなかったのですが、企画のルールが緩めなのをいいことに、気楽に参加しようと思います。基本的に、地下都市SFシリーズの番外編を書いて、ブログに投稿していく予定です。
地下都市SFシリーズはサイトにまだ上げていないものも多いので(いずれちゃんと上げたい…)、ここにリンクを張っておきます。電子書籍版のみ有料となるのでご注意ください。
]]>
]]>
]]>
ちなみに、「こういうのが役に立った」という類の記事ではなく、あくまで「こういうことがあった」という記事ですのであしからず。なお、記憶違いや省略もあります。13000字くらいになったので、記事をいくつかに分けます。
]]>
さて、今年唯一の遠征で、大阪で初めての頒布(関西では去年の京都に続いて二度目)でしたが、たくさんの方に手に取って頂けました。ありがとうございます。差し入れもたくさん頂きました。こちらもありがとうございます。
惜しむらくは、台風接近で上りの新幹線の終電がかなり早くなったため、慌てて荷物をまとめて帰らねばならなかったことです。片付け中にもブースを訪ねてくださった方がいたので、最後までいられたなら……! 台風め、台風め……おまえさえ来なかったら……!
しかしまあ、帰れなかったらそれはそれで大変困るので、新幹線の終電が早くなっている、と教えてくださった森村さんには感謝です。大丈夫だろうと思い、イベント中はあまりスマホを確認していなかった……。ああいう場合、こまめに確認しないといけないですね。
当初は台風が大阪にかなり影響するのではないかと心配していましたが、当日は朝から天気が良く(大阪、暑いですね……)、また来場者も過去最高ということで、その恩恵を受けられたかな、と思います。
次回は10月12日(土)に東京は浅草の都立産業貿易センター台東館6階で開催される第9回Text-Revolutionsに参加します(ブース番号:B-10)。こちらのイベントは、会場に行けない人でも頒布物を購入できる「お買い物代行サービス」があります。利用にあたっては注意点がありますが、今まさに申込期間です。
諸事情により来年は遠征できないと思いますし、やはり諸事情により通販を休止しているので、大阪で気になったけど買い損ねた、という方はぜひご検討ください。
]]> さて、一週間後の9月8日に開催される第7回文学フリマ大阪に参加します。会場はOMMビル2階B・Cホール。ブースNo.B-20です。お隣は「藍色のモノローグ」の藍間真珠さんです。
5月のコミティア以来のイベント参加で、今年唯一の遠征になります。文フリ大阪は初参加です。
新刊は地下都市SF中編『少年よ、塵の中で躍れ』です。短編集『天体観測』の表題作から三年前が舞台で、和樹少年が主人公です。地下都市SFでは一番長い話になります(7万字超)。
実は、地下都市SFの中では『少年よ〜』が一番古い作品になります。『天体観測』とどちらを先に発行しようか迷って考えて、現在の順番になりました。
『天体観測』を読んで気に入ってくださった方はもちろん、初めてさんにもおすすめです。カクヨムで現在連載中なので、試し読みにどうぞ。
それから、作楽シンさんからお預かりした週末をテーマにしたアンソロジー『終わりの世界を君と歩く』を頒布します。わたしも地下都市SFで参加させていただきました。
執筆陣15名、多彩な終末が豪華に詰め込まれています。通販の在庫はなくなったそうなので、気になる方は早めにお越しくださいませ。
なお、終末アンソロは、10月のテキレボ、11月の文フリ東京でも引き続きお預かりします。
そのほか、既刊も持って行きますので、立ち読みだけでも、ブースにお立ち寄りください。
オリジナルキャラクターオンリーの同人誌即売会ですが、オリジナルであればグッズなどを作る人でも参加OK。今回が初開催? なのかはちょっと分からないのですが、200サークルほどが参加して、のんびりまったりといった雰囲気でした。
会場は駅からほど近く、迷うことなく到着しましたが、入り口がどこかちょっと分からなかったのと、イベント会場自体が建物内のどこなのか、そういえば到着するまでよく把握していなかった。公式サイトには大展示ホールとあるけれど、1階か2階かは分からない(大田区産業プラザのHPには書いてあるけど、それほどわかりやすい表記でもない)。サークル入場開始時間よりかなり遅れて行ったので、入場待機列などもなく。建物に入ったら、大展示ホールがガラス張りになっていて中の様子が見えたので、場所が分かりました。平屋じゃなければ、何階かは書いてくれると助かります。
1ブースの広さは他のイベントと同じく長机半分でしたが、これも公式サイトには表記なかったですね。次回以降があれば、明記した方がいいと思います。
会場は広々としていて、ブース内も十分に広く、背後が気になることはありませんでした。お誕生日席ではない島角でしたが、反対側にはお誕生日席がなく、他のサークルさんはそちらから出入りすることが多かったのかな。頻繁に誰かが通るのが気になる、とかはなかったです。
ブースのセッティングはいつもとそれほど変わらず、とっちらかったように見えない程度に整えて、いざ見本誌を置きに行こう! と思ったのですが、置き場所が、公式サイトに書いてないので分からない。見本誌を置けますとはあるけど、見本誌標については公式のものがあるのか自力で作るのか分からないし、上限も書いていない……。なので前日、どうしたらいいのだろう、とりあえず手書きのメモをはっつけとくか、と用意しました。
会場でも分からなかったので、隣の隣の隣にいたたつみさ暁んに尋ねるという……(忙しいのにお邪魔してすみませんでした)。
最終的に、会場スタッフの方に尋ねて場所が分かりました……が、見本誌置き場は長机一脚。うそん。重ねないと置けないし、実際重なり合っていました。他の人の上に重ねるのは気になるし、重なっていると見本誌手に取りにくくないかと思いました。見本誌とチラシ置き場の周辺は十分にスペースがあったので、あとからでもいいから、増設してほしかったです。それとも、借りられる机の数も決まっていたのかな。それなら仕方がない……。文芸サークルも結構いたので、次回以降はぜひとも改善して頂きたいところです。
さて、オリジナルキャラクターオンリーのイベントということですが、当サークルは、オリジナルの小説を書いているけどイラストの表紙が一冊もない。きっと浮くだろうしそんなに手に取られないんじゃないかな〜と思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。島角でかつ会場の角も近かったので、浮いてたかもしれないけどそれほど目立たず(たぶん)、でも足を止めてくださる方は結構いらっしゃいました。こぢんまりしたイベントの方が一般参加者もじっくりと見て回れるからか、試し読みをする人も多い気がします(テキレボは狙い撃ちが多いのか、試し読みはそれほどない印象。文フリ、コミティアは規模がでかすぎて以下同文)。
当日は天候に恵まれ、外はぽかぽか陽気だったようですが、屋内だったのでその恩恵はなく……でも、移動する時に晴れているのはいいですね。今回は手搬入だったのでなおさら。
閉会後は公式アフターがあったのですが、体調が微妙だったのと寄り道したいところがあったので、撤収作業終了と共に会場を後にしました。
これは個人的要望なのですが、見本誌置き場は広くしてほしいのと、企業ブースとその他の出展ブースの間に広大な空間があったので、ちょっと企業ブースに立ち寄りにくいかな〜と思いました。あと、webカタログはIDとパスワードでログインできるようにしてほしいです。ログイン用のURLをメールで受信してそこからというのは煩雑です……。
色々と注文を付けてしまいましたが、アクセスしやすい会場だし、雰囲気もまったりしているし、次回の開催があればまた参加したいと思います。
]]>第7回の懇親会で半額権をゲットしたので、何が何でも参加して、地下都市SF中編の新刊を出す! と計画していた時がありました。
その計画の一環で、昨秋の文フリ東京で地下都市SF短編集『天体観測』を発行する予定でした。ところが、やはり文フリ東京での発行を予定していた新装版『嘘つき王女と隻腕の傭兵』の作業に思いの外時間がかかり、『天体観測』の発行はテキレボ8に延期することにしたのです。昨秋の時点で、『天体観測』の原稿自体は揃っていたのですが、あっという間に年が明けて1月も終わり、なのに修正とか推敲があまり進んでいないという状況になっておりました。
2月末には入稿して3月頭には新刊が手元にあるという予定だったんですが、だいぶずれ込んでしまいました。仕事が忙しくて平日にあまり進められなかったので、どんどん後ろにずれていったわけですが、なんとかかんとか間に合って、本当によかったです。
そして今回は、創作サークル・空想工房さんにお声掛け頂いて、会誌『カケラVol.4』に短編『キスのはだあい』を寄稿しました。
こちらの原稿も早めに提出したかったのですが、2月のコミティアで空想工房の小田島さんと阿波さんに「大丈夫ですか?」と聞かれ、その節はご心配おかけしました(締め切り前には提出しました)。
そんな感じだったので、300字SSポスカラリーの製作もぎりぎりでしたが、今回は初めて印刷所に頼みました。おかげさまで、とてもきれいなポスカに仕上がったのですが、わたしは痛恨のミスを犯してしまったのです……。
それはひとまず置いといて、今回はSFジャンルで、「博物館リュボーフィ」のまるた陽子さん(むしこさん)との合体配置でした。配置はC列の一番奥のお誕生日席! 人来るかな〜と心配でしたが、隣にはD列があるし、300字ポスカのブースもあるしで、そこそこ人通りはあった、かな? なにせ会場全体に背を向けているので、よく分からなかった……。
テキレボはまったりしたいベントという印象があり、今回は平日に挟まれた祝日なので、さらにまったりしている感じはしました。
今回もメンバーズに参加、今回もイベント開始11時からが担当でしたが、わたしの不在時はむしこさんが店番をしてくださったので、ブースに人がいない、ということはありませんでした。おかげさまで、わたしがいない間に思っていた以上に新刊がもらわれていってました。ポスカの他に無配のペーパーも用意していたのですが、それも結構減っていました。ありがとうございます。
メンバーズの仕事が終わった後そのまま買い物に出たのですが、頭の中にあったお買い物リストを元に回っただけでもバッグいっぱいになっており、財布からは小銭がきれいに消えていました。そんなに買ったつもりはなかったのに、不思議。
その後はほぼずっとブースにいました。新刊のキラキラした表紙が目を引くのか(ホログラムPP加工!)、キラキラしてきれいですね、と結構言って頂けました。やったー!
婿取りの表紙がきれいですねとも褒めて頂きました。絵を掛けない分いい感じの表紙になるよう素敵素材を探し回っているので、表紙を褒められるだけでも嬉しいですね。
人通りはちょいと少ないような感じもしましたが、用意したポスカは全部貰われていったし、無配のペーパーもいい感じに減りました。新刊も予想以上に出て、執筆戦隊カケルンジャーはおかげさまで見本誌含めて完売しました。
なんだかんだで全体的に出たな〜と満足しつつ、閉会。会場の設営に参加できない分、撤収作業をお手伝い。参加5回目にして思いましたが、軍手がいりますね。次回からは用意しよう。
前回のハイライトとなった懇親会ですが、今回のじゃんけんはことごとく初戦敗退でした。残念。でも、次回も参加する予定です。
さて、今回は翌日が平日ということで公式アフターはなかったのですが、藍間真珠さんが企画した非公式アフターに参加しました。いろんな創作話ができて楽しかったです。一足先に帰りましたが、お相手してくださった方々、ありがとうございます!
さてさて、テキレボは家に帰るまでがテキレボ。今回も楽しかったな〜なんてぽやぽやしながら無事帰宅。これでわたしのテキレボはほぼ終わりました(荷物はまだ受け取ってないけど)。そして、お風呂に入っている時、わたしはとんでもないことに気付いたのです。
300字SSのポスカ、自分の分を取り分けてなかった!!
初めて印刷所に頼んだポスカでした。キラキラした紙で、色もきれいに印刷されてました。届いたその日に写真を撮って、Twitterに上げてはしゃいでました。でもその時は、じっくり見てませんでした。後からいつでも見られるし、と……。
痛恨のミスだけど、一人でも多くの方の手に渡ったのだからいいよね……ただ、次からはちゃんと確保しようと決意しました。
後から見られるし〜と思って、ポスカの全体像も写真に撮ってなかったし(そしてTwitterに上げた写真は同じ理由ですぐに削除した…)。
最後の最後でミスに気付いたわけですが、それもこれも、新刊の作業が遅れていて時間も余裕もなくなっていったのが原因かな、と思います。
『天体観測』は自主企画の「ゆるっとSF」と「鳥散歩」に参加していたんですが、その方面での宣伝も全然できてなくて、主催者の方に申し訳なかったです。企画に参加させてくださり、ありがとうございます。
また、ブースに立ち寄ってくださった方々、本を手に取ってくださった方々、ありがとうございます。合体配置のむしこさんと売り子さんには本当にお世話になりました。ありがとうございます。
次回のテキレボ9も参加予定で、今度こそ地下都市SFの中編を出したいです。実は原稿はあるので、今度こそ計画的に余裕を持って進めていきたい……。
さて、今後のイベントで参加確定しているのは、4月6日(土)のうちの子が一番カワイイ!2019の「いぬ-22」(いぬ!?)、5月6日(月)の第28回文学フリマ東京、9月8日(日)の第7回文学フリマ大阪です。当選すれば、5月12日(日)のコミティア128にも参加します。
]]>当方、十数年webでもそもそ活動していて、2年ちょっと前からオフラインでの活動も始めた物書きです。
今年のイベント参加は以下の通り。
・1月:第2回文学フリマ京都
・2月:コミティア123
・5月:第4回文学フリマ金沢
・7月:Text-Revolutions7(テキレボ7)
・9月:夢を紡ぐ創作の集い04
・11月:第27回文学フリマ東京
・何月か忘れたけど花鳥風月138(委託)
花鳥風月以外、すべて直参です。関東在住なので、今年は2回遠征しました。というか、遠征は京都が初めてでした。
こうしてみると、結構参加したんだな〜と思います。
作った本は、短編集『永坂残酷物語』、中編『魔女の婿取り』、長編『嘘つき王女と隻腕の傭兵』(新装版)の三冊。嘘つき王女はA5版を文庫化したものなので、作ったものには違いないけど、新刊というと微妙な感じもします。でもまあ、文庫化にあたって改めて推敲したし、生まれ変わったのだと思えば、新刊ですよね。けれど本当は、もう2冊作るはずであった……。
それはさておき、イベント参加が多かったので、総頒布数は去年よりも多かったです。やったね! 遠征先でもたくさんの方に手に取っていただけて、遠征してよかったと思いました。
執筆量に関しては、去年まではエクセルで管理していて、今年も春頃まではやっていたのですが、それ以降はさぼっていて、何をどれだけ書いたのやら状態に。しかし、去年よりは少ないと思います。
4月頃までは、掌編も結構書いて、長編の執筆も始めていたのですが、4月頃から仕事が忙しくなり、筆が止まってしまいました。仕事の疲れは蓄積し続けて6月には頭痛がひどくなり、仕事から帰ってくるとぐったりとしてし、スマホやポメラの画面を見るのも辛く、本を読むのさえままならない状態になってしまいました。
このままでは7月のテキレボに参加するのも危ういのでは、と思っていましたが、参加できるくらいにはなんとか回復。しかし、筆が止まってそのままスランプ状態になり、また無理をしないようにしようと思ったので、今年はあまり書けませんでした。
そうはいっても、掌編や300字SSはいくつか書いて、まだ公開していない短編も二つほど書きました。書き掛けて止まっている長編の分も含めたら、数万字は書いたと思います。
来年は、体調管理に気をつけつつ(睡眠大事!)、小説を書いていけたらいいなあと思っています。
仕事が忙しく、平日はイベント関連でできることといえば執筆と推敲くらいしかなく、土日に本にするための作業やイベントの準備などをしているのですが、これがなかなか負担で……。土日にゆっくり休めないのもどうかと思うので、来年はオフラインについては少しおとなしめに活動しようかな、と考えています。
といいつつ、来年は2月コミティア、3月テキレボ、5月文フリ東京は申し込み済み。5月のコミティアも参加しようと思っているのですが(でも夏はどこにも出ない)。ただ、遠征は西の方に一度だけにしようと思ってます。
まあ、一年は短いようで長いので、途中で考えが変わることもあると思います。
来年の話も多くなってしまいましたが、今年は思うように執筆できなかったのが残念無念です。
元気があれば何でもできる、じゃないけれど、元気がないと何にもできない、健康第一、と噛みしめた一年でした。
]]>昨日は晴天に恵まれ、過去最大数の出展者数ということもあってか、来場者数も過去最大だったとか(言っていたような……)。今回は2階にいて、人が多いな〜と思っていましたが、1階はさらに多かった。その恩恵を受けられたような気がします。
新刊はなかったけど、新刊扱いの『嘘つき王女と隻腕の傭兵』と、文フリ初頒布の『魔女の婿取り』がよくお手に取っていただけました。ファンタジーの島だったけど、ほかの短編集にも興味持ってもらえました。既刊もちょっと出たからよかった。
先述しましたが、今回は出展者数が過去最大ということで、出展者入場時刻前に会場に着いたら、長蛇の列ができていましたね。最初は並ぼうと思ったのですが、階段を下りた先にも列が続いていると知り、手搬入でキャリーカートをひこずっていたわたしは並ぶのを諦めました。数段でも上り下りするのが嫌だ。
そういうわけで、石のベンチに座って列が短くなるのを待っていたわけですが、これがまあなかなか短くならないし、やっと短くなってきても、次から次に人が来るので、ある程度並ばないとこれは入場できないことに気づき、並んで入場。それが10時15分くらいだったでしょうか。すでに一般入場の待機列もできていた……。
隣接の泡野さんはすでに入場して設営を始めていて、「お国の一大事フェア」のコーナーを設営しなければならないのでわたしもさかさか設営です。見本誌票を家で貼ってくればいいのに、と毎度思います。どう設営するかはほぼ考えてなかったのですが、手作りの見本誌棚があればそれなりに何とかなるので、この棚は作ってよかった。まだ壊れていないので、次回もまだ使えそうです。
設営終了と開場はほぼ同時でしたが、すぐに来たお客さんはお一人くらいで(早速ありがとうございました)、いつも通りまったり開始でした。
2階の奥まった位置でしたが、人通りは多く、「お国の一大事フェア」のポスターを見てくれる人は結構いたように思います。頒布につながる売り込みがもっとできたらよかったな〜と思います。力及ばず……。しかし、ひょんなことから始まったフェアでしたが、楽しかったです。泡野さん凪野さん、ありがとうございます!
ところで、試し読みしている最中の人に会れこれ話しかけると迷惑になったり、いらぬプレッシャーをかけたりするかも……と思うと、「おすすめですよ!」ともなかなか言いにくいので難しかったです(毎度のことですが)。
ただ、初めてイベントに参加したときに比べれば、少しは接客も上達したかなと思います(当社比)。
16時前くらいから通る人の数も減ってきていたので、16時半くらいから撤収作業を始めて、アフターとか懇親会とかしたかったんですが、用事があったので17時には会場を後にして、秋の文フリは終わりました。まだ荷物片づけてないけど……。
頒布数は去年よりよかったのですがwebカタログの「気になる」の数と比べるとうーん、というところもありつつ、会場に行きやすいので、次回も参加予定です。
また、BOOTHでの通販を再開しました。『魔女の婿取り』は早々に在庫なしとなりましたが、年内に再販予定です。文フリで買い忘れていた! とか、今になって気になってきた! とか、関東に簡単に行けないよ! という方、少々お待ちください。
さて、年内のイベント参加は文フリ東京で終了です。年明けは、これから申し込み&抽選待ちになりますが2月のコミティア、3月のText-Revolutions、5月の文フリ東京に参加予定です。コミディア以外は一応参加確定です。その他、参加しようと検討しているのが4月「夢を紡ぐ創作の集い」(ただし日程未定)、5月のコミティア(文フリ東京の翌週)、夏はイベント参加はお休みして、秋以降にまた出ようと思っています。
]]>明日、11月25日(日)、第27回文学フリマ東京に参加します。会場は、東京流通センター第二展示場。2階のイ-28です。
当初の予定では、地下都市シリーズの短編をまとめた短編集『天体観測』を発行する予定でしたが、こちらは結構前にあきらめました。
その代わり『嘘つき王女と隻腕の傭兵』の新装版を出します。一年ほど前に発行したA5版が無事に完売したので、今度は文庫版で再登場です。誤字脱字などの修正をして、ポストカードで無料配布した300字SSを収録しました。初めてカバーも付けてみました。A5版では厚みは1cmほどだったのが、文庫版では2cm超えました。なかなかの厚みです。
今回は、お隣イ-27『Our York Bar』の泡野瑶子さんと、そちらに個人委託する凪野基さんと合同で『お国の一大事フェア』とフェアをやります。泡野さん『暁天の双星』、凪野さん『凱歌』、わたし『嘘つき王女と隻腕の傭兵』です。
お国が滅びかかる話(暁天の双星)と滅びる話(凱歌)と滅びた話(嘘つき王女と隻腕の傭兵)が隣同士で集まるため、ひょんなことから生まれたフェアです。こちらで宣伝しそびれてしまいましたが、先日まではそれぞれの作品紹介を乗せた折り本をネットプリントで配布していました。現在は、凪野さんのBOOTH(https://bgkaisei.booth.pm/items/1097498)で配布しています。クロスワードパズル付きなので、読むだけでなくクイズも楽しめますよ!
泡野さんと凪野さんは、お二人とも大変魅力的でおもしろい物語を書かれる方なので、ぜひぜひお手に取ってください。
そのほか、既刊はすべて持って行きます。いずれも残部僅少なので(『サボテンの子どもたち』は残部たっぷりだけど持ち込み数少ないです)、気になる本がある方はお早めにお越しください。
]]>二日前になりますが、長編『Eve or Vandor』が完結しました。ほぼ週一更新の、約半年間にわたる連載でした。何度も生まれ変わり、そのたびに殺し殺される運命をたどることになった二人の行き着く先を見届けてくださり、ありがとうございます。これから読んでみようかな、と思ってくださった方には、楽しんでいただけたら幸いです。
さて、『Eve or Vandor』は2011年にある企画に参加するために書いた短編が元になっています。短編は、ほぼそのまま長編のプロローグとなっています。
短編を書いた当時は、その先のことは考えてなかったのですが、色々と感想をいただくうち、この二人に結末を用意しないといけない、と思うようになりました。それで、二人の運命の解決編となる長編を考えようと思ったのですが、なかなかうまくいかず、しばらく放置……。
放置してから数年後、長編で公募に出してみようと考えていたとき、『Eve or Vandor』の長編を書くなら今しかない! と思い立ちました。するとなんとかプロットが書けて、本編もなんとかかんとか書けました。それがもう四年前のこと……。
公募に出したものの結果は実らず。そして、長編にしたものの、ああすればよかったという後悔もあれこれで改稿したくて、今まで寝かせてました。ずいぶん寝かせた割に、なんと改稿できてません。
色々と忙しくて改稿できなかった……というのは完全に言い訳ですが、これはこれで一つの話としてまとまっているし、せっかく書いたんだし、改稿前のプロトタイプとして公開しようと思いました。
今はまだ時間が取れないし、『Eve or Vandor』を書くために、長編短編含めてもっと話作りの経験を積んでおきたいので、改稿はもう少し先になります。
かなり大雑把ではありますが構想はあります。もう少し話を広げたり掘り下げたりしたいと思ってまして、それが実現すると、現在公開しているものとはほぼ違う話になります。まずは自分自身がその話を読みたいので、なんとしても改稿しようと思っています。
ただ、すぐには取りかかれないので、首を長くして待っていただけたら幸いです。
テキレボ7当日も、朝から大変暑かったです。前の日も暑かったし、次の日も暑かった。今も暑い。
長くなったので、以下に続きます。
]]>
今回は今までより会場が広くなり、参加するサークルさんも200になったそうです。
テキレボは、個人的には規模の割にとてもにぎやかなイベントという気がします。他をあまり知りませんが、なんか、ちょっと違う感じ。いずれにしても、今回はいっそうにぎやかになりそうですね!
さて、準備もいよいよ大詰めです。荷造りも終わって、値札とか必要なものの印刷までは終わりました。でも完璧には終わっていないので、あともう少し。
今回の新刊は、サイトにも掲載している異世界ファンタジー中編の『魔女の婿取り』です。中身はサイト掲載分・電子書籍版と同じですが、電子書籍版とは表紙が異なり、裏表紙がつきます。自分でもなかなかすてきな表紙になったと思っているので、ぜひお手に取って見てください。イベント終了後は通販も予定しています。
新刊のメインは『魔女の婿取り』ですが、他にも新刊(というほどでもないけど)として、カクヨムさんに掲載している300字SSのうち8編をまとめたコピー本『モノガタリノカケラ』と、300字SSのポストカード『暑中お見舞い』があります。いずれも無料配布となっております。配りきったら再版はしないと思うので、無料ですし、ぜひ持って行って下さい。
また、既刊の在庫は一部を除き少なくなっているので、この機会にぜひお手に取って見てください。
そして、最近ブログを書くのがイベント絡みとなってきました。毎週更新はしているのに。『Eve or Vandor』を読んでくださり、ありがとうございます。ちょうど折り返しくらいですね。
さて、ちょっと脇道に逸れましたが、本題はイベント絡みの話です。
来たる7月16日(月)に東京は浅草で開催される第七回Text-Revolutionsに参加するわけですが、このイベントは当日会場に行かなくても同人誌を入手できる素敵な「お買い物代行サービス」というものがあります。
ただし、ほしい同人誌が完売等で一冊も入手できない場合でも手数料がかかり、代行非対応のものは入手できないなど、注意点がいくつかあります。
また、当サークルの同人誌はすべて代行に対応していますが、万が一、わたしの同人誌だけが欲しいという場合はBOOTHの通販をご利用する方がお得です。
しかし、複数のサークルさんの同人誌がほしい場合は、お買い物代行サービスをご利用する方が断然お得です(完売とかで手に入らない可能性はありますが)。
明日が申し込みの締め切りなので、興味のある方はお早めに……。
]]>26日に金沢入りして、兼六編と金沢城を見て回ったら、予想以上に広く、また大変天気がよくて暑かったのでヘロヘロになり、昨日を迎えました。駅近くのホテルを取っていて良かった……。
さて、文フリ金沢は過去に参加したことのある東京・京都に比べるとかなり小さい会場で、ブースも小さかったですが、頒布物がそれほど多くないので事足りました。
会場は小さいし、駅から少し歩いてしかも引っ込んだところにあるから、お客さん来るかなあと不安でしたが、なかなかにぎわっていました。朗読会とかやっている最中は静かだな〜という感じでしたが、観察していたところ、じっくり見て回っている方が多いという印象でした。東京や京都ではそういう人はあまり見なかったので、これは規模が小さいからこそではないかな、と思いました。
そのおかげなのか、たくさんの方に本を手に取って頂けてました。うちは一冊を除いて全部短編集ですが、短編集をぜんぶください、という方もいて、驚くやら嬉しいやら、ということもありました。ところで、一番規模が大きい文フリ東京での頒布数が今のところ一番少ないのですが、これってどういうことなの……。
まあそれはさておき、一番人気はやはり『嘘つき王女と隻腕の傭兵』でした。ファンタジー強い。見本誌を見たのか、「これください」と決め打ちで来る方も多かったですね。おかげで嘘つき王女は順調に在庫が減っていき、再版もしないので、これがなくなったら一気に頒布数落ちるな、なんて思う今日この頃です。
イベント終了後は、お隣のブースだった碧さんとちょろっと散策して、打ち上げしました。色々と創作談義できて楽しかったし、おいしかったです。
土曜も日曜も天候に恵まれ、暑い中お越しくださりありがとうございました。
次回の参加予定イベントは7月16日(月)の第7回Text-Revolutionsです。新刊が出る予定です。これから組版とかするので、がんばります。
]]>そういうわけで(どういうわけ?)、前日のお知らせとなってしまいましたが、5/27(日)開催の第四回文学フリマ金沢(https://bunfree.net/event/kanazawa04/)に参加します。今年二度目の遠征ですね。ブースは「い-11」で、お隣は偶然にもお知り合いである「つむじ風のとおり道」の碧さんです。
新刊はありませんが、『竜の舞い降りる村』の販促名刺を作ったので無料配布します。ぜひ持って行ってください。それから、見本誌に帯を付けてみることにしました。それもぜひ見てやってください。
頒布物は、以下のとおりです。
・異世界お墓参りファンタジー『嘘つき王女と隻腕の傭兵』(一番の売れ筋!)
・日常と青春を描いた安心安全保障の連作短編集『サボテンの子どもたち』(一番売れてほしい!)
・様々なジャンルの掌編短編を52編収録した読み応え十分の短編集『2013-2016』(一番残部が少ない!)
・ノスタルジックなSFや現代物などを収録した手頃な短編集『においのゆくえ』(初めてさんに一番おすすめ!)
・気軽に気楽に読めるコメディ三連発の短編集『執筆戦隊カケルンジャー』(一番安心安全!)
・最新刊にしてハッピーエンドではない話ばかり集めてしまった短編集『永坂残酷物語』(一番不穏!)
と、なっています。『2013-2016』は本当に残部が少なく、また再販予定はないので、この機会にぜひともお手に取ってください。
(webカタログ→https://c.bunfree.net/c/kanazawa04/6F/%E3%81%84/11)
それでは、明日の文フリ金沢で!
あ、本人はすでに金沢にいるので、今週の『Eve or Vandor』の更新はお休みです。お待ちくださっている方、申し訳ありません。
]]>うっかりしていたら、前回ブログを書いてから一ヶ月以上経っていましたね。
サイトの更新はほぼ毎週やっていたのですが、ブログの方はついうっかりおろそかにしていました……。
『Eve or Vandor』は絶賛更新中でもうすぐ第一章が終わるので、これからもよろしくお願いします。
さて、来たる5月6日(日)に島根県松江市くにびきメッセ大展示場1/3で開催される花鳥風月138に夢想叙事:委託6で参加します。
『嘘つき王女と隻腕の傭兵』、『サボテンの子どもたち』、『永坂残酷物語』の3種を頒布します。
『嘘つき王女と隻腕の傭兵』は当サークルで今のところ一番の売れ筋の異世界お墓参りファンタジー、『サボテンの子どもたち』は寺島家の三きょうだいの日常と青春を切り取った安心安全な連作短編集、『永坂残酷物語』はハッピーエンドではない、どちらかといえば後味の悪い短編掌編をかき集めて一冊にまとめてしまった短編集で、心温まらないこと請け合いです。お品書きも用意したので、参考にどうぞ。
3種とも花鳥風月では初頒布となります。また、西日本で今後開催されるイベントへの参加予定は今のところ未定なので、お近くの方はこの機会にぜひお手に取ってみてください。
そして、おまけというにはささやかですが、電子書籍版『竜の舞い降りる村』の宣伝名刺を同封しています。また、見本誌に、初めて帯を作って付けてみました。その帯だけでも見て頂ければ嬉しいです。
]]>
そして、カクヨムさんで公開したいたものについてはこの前の日曜日に削除しました。現在連載中のものはいわばプロトタイプなので、今後はサイト以外に転載したり、電子書籍や紙の本にしたりする予定はありません。また、検索サーチに登録する予定もないので、今後は本当にサイトでひっそりと掲載です。宣伝はブログとTwitterでやるくらいになると思います。
そういえば、サイトを開設した頃は、個人サイトたくさんあったので、検索サーチさんもたくさんありましたね……。今ではそのほとんどがなくなってしまい、時代の変化を感じます。寂しい気もしますが、それでもサイトに来てくれる方はいるので、今後ものんびり続けていきます。
それから、カクヨムさんに掌編をあげました。こちらの方も、週末に更新することが多いです。
]]>これから毎週土曜日に更新していく予定です。カクヨムさんでは先行して全文公開していましたが、参加していたコンテストの結果も出たことですし、あちらはたぶん明日には削除します。
同タイトルの短編がありますが、その続編というか、解決編となるのが長編版です。プロローグは短編版とほぼ同じですが、加筆修正しています。
さて、長編版『Eve or Vandor』は2015年度のとある公募に投稿したものなので、書いたのは2014年になります。え、そんなに前……? 時の流れは早い……。
それはさておき、2年以上寝かせていたものを、ようやっとサイトに上げることにしました。全27話になります。よろしければ最後までお付き合いください。
ただ、『Eve or Vandor』は、いずれ大幅な(もはや原形を留めていないレベルで)改稿をしたいと考えています。ですので、今回連載するものは、いわばプロトタイプです。
いつか書くであろう改稿版ができあがるまで、プロトタイプではありますが、本作を楽しんで頂けたら幸いです。
]]>最近は300字くらいの掌編をちょこちょこ書いては、カクヨムさんで300字くらいの掌編たちという身も蓋もないタイトルで随時更新しています。
今年に入って既に14編書いているので、よろしければ覗いてみてください。300字くらいというタイトル通り、300字以上あるものもちょこちょこ紛れ込んでいますが、基本的にすべて読み切りです。続編のものもありますが、単独でも読めるようになっています。
カクヨムにある掌編をどうにかサイトに集約したいんですが、最近長編の執筆を始めたので、集約はもう少し先になりそうです。
]]>それからサイト開設日を毎年迎えて、今年で14回目になるわけですが、その14回目にして初めて、サイト開設日に合わせた更新をしました。快挙です! ……快挙かな。
そうでもない気がしてきましたが、ともかくサイト開設14年目を記念して、電子書籍『竜の舞い降りる村』を発行しました。価格は200円。異世界ファンタジーの短編集で、4編収録しています。各話1万字程度で、全て異なる世界観の物語です。
AmazonにてKindle版が購入できるほか、BOOTHではPDF版とEPUB版が購入できます。また、楽天koboでもお買い求め頂けますが、楽天koboのみ201円です(200円割引のクーポンが使えるようにこの価格設定)。
……が、楽天koboで販売開始になるのはもう少し時間がかかりそうです。
ともかく、以下のリンクから、お好きなところへどうぞ!
・Kindle版を買う(Amazonのサイトに飛びます)
・BOOTHで買う(PDF版とEPUB版があります)
Amazonで出版するやり方を忘れて久しかったため、Kindle版の発売日を設定できるかどうかわからないまま登録作業を進めていたら、昨日のうちに販売開始にされていましたが……。
さて、『竜の舞い降りる村』は初めて作った同人誌でした。
紙版は、ありがたいことに完売したので、電子書籍版を出したいとず考えていたのですが、ずっと後回しになっていました。今回、サイト開設日に合わせて電子書籍版を発行できてよかったです。
今年は短い話(特に300字SS)は思い付いたら気軽にどんどん書いて、長編は複数書くのが目標です。話を書く以外にも、イベントに参加して同人誌も作っていきたいと思っています。あと、サイトの更新ももっと活発にしていきたいですね。
そんなわけで、また一年、よろしくお願いします。
]]>
そういうわけで、去る2月11日、コミティア123に参加しました。ブースを訪れてくださった方、本を手に取ってくださった方、ありがとうございます!
初めてのコミティア、今まで参加した中でいちばん大きな規模のイベント。文芸メインでないイベントは初だったのでドキドキでしたが、配置自体は文芸メインのところにいたので、特に何の問題も起きることなく無事に過ごせました。よかった(何が起きると思っていたのか…)。「小説ですか?」と一度だけ聞かれたけど。評論か何かと思ったのかな……謎です。
さて、初めての文芸メインではないイベントでしたが、おかげさまで結構な数が出て行きました。
イベントごとに出る傾向がちょっと変わるけど、『嘘つき王女と隻腕の傭兵』はどのイベントでもよく出ますね。異世界お墓参りファンタジーだからなのか、今のところ唯一の読み切り長編だからなのかはわからないのですが(なにせ他に長編がない)、ともかくありがたいことです。おかげさまで、嘘つき王女の300SSポスカはすべて配りきりました。
新刊の『永坂残酷物語』もお手に取って頂けました。しかし、作っておきながら何ですが、「いいの? ほんとにいいの? まじで心温まらないけど大丈夫?」と思いながら、お渡ししていました……。でも楽しんで頂けたら幸いです。
さて、次回は5月27日の文学フリマ金沢に参加予定です(まだ確定していない)。
あんしんBOOTHパックで通販もしているので(匿名で発注・発送)、ぜひご利用ください。
]]>さて、重要なお知らせですが、今回は新刊が出ます。
またもや短編集ですが、バッドエンドだったり読後感の悪い話だったりを詰め込んだ、その名も『永坂残酷物語』です。文庫サイズで50ページ、300円です。
4編中3編は、サイトにはないですがプライベッターなどで公開しているもので、1編は未公開の短編です。数年に一度の寒波に見舞われている中でまったく心温まらない短編集ですが、ぜひお手に取ってみてください。
既刊はすべて持って行きます。
『嘘つき王女と隻腕の傭兵』には300字SSのポスカが付きますが、ポスカは残り2部となっています。新刊があるのでお品書きを作りましたよ!今までのと大して見栄えは変わりませんが。
あ、あとサークルカットもあります。テキレボや文フリではサークルカットってないから、作るの面倒くさ――いやいや、慣れないですね。文字ばかりだと寂しいからペンギンの画像を付けましたが、ペンギンが登場する話は特になかった……。サークルカット作った時には新刊の予定が立ってなかったので3種になってますが、ちゃんと4種あります。
]]>
思えば今回は初の遠征でした。財布の都合と月曜日(今日)は仕事ということで、観光は控えめにしてなんなら日帰りにしようかと当初は思っていましたが、さすがにそれは体力的にきついので前日入りしました。のんびりと移動して、宿に荷物を置いたあとはふらふらと歩いてたどり着いた東寺で、五重塔が特別公開されていたので見てきました。
いやあ、高かったです。この塔が建立された当時はこんな大きくて高い建物なんて滅多になかっただろうから、すごい迫力だったんだろうなあ、なんだか妄想がはかどるなあ、なんて思っていました。
当日は朝からとてもいい天気でした。思えば今まで参加したイベントは毎度雨に降られてたので、晴れたのは今回が初めてでした。晴れだと移動が楽でいいですね。
さて、時間に余裕を持って会場に向かったので、入場する前に近くにある平安神宮にお参りして、完売しますように、と欲にまみれたお願いをしました。
そんなことをしてみやこめっせに着いた頃には、ふつうにサークルが入場する時間でした。
ブースは入り口近くで、お隣の藍間さんがすでにいらっしゃったので、すぐに分かりました。荷物がブースに置いてあったのも助かりました。スタッフの方、ありがとうございます。
今回は敷物を敷いて本を並べるだけのシンプルディスプレイにしたので、割と早く準備が調い、見本誌も早めに提出できました。あとは細々と周辺を片付けたりしているうち、開場となりました。京都でも開場前から並んでいらっしゃる方が多かったです。
開始後しばらくは訪れる人もなく、見本誌コーナーがにぎわっているなあと眺めたりしていましたが、(たぶん)一時間過ぎた頃から立ち寄ってくださる方が現れ始めました。
『嘘つき王女と隻腕の傭兵』は「これください」という方が多く、見本誌効果なのかな、と思いました。ブースで立ち読みしてこれ、という方もいましたが。あとは、『執筆戦隊カケルンジャー』が持ち込み分完売しました(お参りの効果!?)。文フリ東京ではほとんど出なかったのに……これは地域差なんですかねえ。しかし嘘つき王女は東京でもよく出ていったので、ファンタジーはやはりどこに行っても強いのかしら、とも思いました。
カケルンジャーが出る代わりなのか、『においのゆくえ』はあまり出なかったけど、数的には東京と同じくらいだったと思うので、この本はそういうものなのかも。
『サボテンの子どもたち』は、今回も出ましたが嘘つき王女ほどは出なかったので、これはもうじわじわ気長に売っていこうという気持ちになりました。これからもサボテンをよろしくお願いします。
『2013-2016』も気長に売っていくのでよろしくです。
そんなこんなで、初の遠征はなかなかの成果でした。平安神宮にお参りした御利益だったのでしょうか。ありがとうございます。
人とコミュニケーションを取るのが苦手な人間ではありますが、イベントではブースを訪れてくれた人と直接話せるのが、やはりいいなと思いました。次回もまた参加したいですね。
最後になりましたが、お立ち寄りくださった方々、ありがとうございました!
次回は、2月11日のコミティア123に参加します。
]]>それはさておき、1月21日曜日、京都市勧業館みやこめっせ(1F第二展示場C・D面)で開催される第2回文学フリマ京都に参加します。サークル名は「夢想叙事」で、ブース番号はう-06。入ってすぐのところです。お隣のう-05は藍間真珠さんの「藍色のモノローグ」です。
頒布物はテキレボ、文フリ東京と同じです。碧さんの「二十光年ロボット」をお預かりしています。いずれの本も関西初頒布ですので、ぜひお立ち寄りください!
また、今回も無料配布のコピー本を用意しました。前回と同じものを作ろうと年末は思っていたはずですが、一部入れ替えて、テキレボアンソロに参加した短編一編とてきすとぽいの企画に参加した短編一編になっています。
]]>もりもり書いていきたい所存なので、早速今年最初の更新をしました。ブログを書くのは早速一日遅れていますが。
今年最初の更新は、短編『天体観測』です。総人類地下に引きこもり状態の未来が舞台の、少年二人の小さな小さな冒険です。年末にてきすとぽいさんに投稿した『あるいはそれよりも鮮やかな』と同じ世界観になります。時代も場所も違いますが。
『天体観測』は、Twitterで佐藤こおりさん(@ice03g)が主催の#三題噺2017to2018という企画に参加するために書きました。お題の「犬」「新」「30」を使い、30はアラビア数字で使用する、という企画でした。一応どれもクリアできていると思います。
年末に『あるいはそれよりも鮮やかな』を書いていて、同じ世界観の長編を推敲中であり、脳内がSF寄りになっていたので、お題を見て思いついたのが、荒廃した地上で天体観測をする、というものだった……ような気がします。記憶が早くも薄れてきたのでよく思い出せない……。
ともかく、書きたいシーンから膨らませつつ、お題を消化するために単語を入れ込んでいきました。
当初、「犬」は犬飼武利という名前を出すことで消化しようとしていました。しかし、天体観測をする場面で「どこそこにこの星座が見える」というせりふを書くために、どの星座がいいかグーグル先生にお尋ねしたところ、今の季節は大犬座が見えると知り、「これだ! これしかない!」となりました。そして、大犬座があるし特に必要がなくなったので武利の名字は削除されました……。
そんな感じでお正月休みの間にもそもそ書いていました。7000字程度ですので、ぜひ読んでみてください。
それから、これまたTwitter上で開催された「#深夜の真剣文字書き60分一本勝負」という決められたお題と条件で60分で小説を書く、という企画にも『忠犬はバーに行く』という掌編で参加しました。こちらは大人な雰囲気を目指した現代物で、お題の「終わりははじまり」「〇〇の犬(〇〇は自由)」「寝ても覚めても」「ビタミン足りてる?」「柘榴石」を全部使用しています(どれか一つ以上、という条件)。
カクヨムさんには、このほかにもいろいろと書き散らした300字SSをまとめて置いています。
投稿サイトも利用しているため、書いたものがちょっとあちこちに分散気味だな〜と最近思います(この状況自体は以前から)。ただでさえサイトにある短編もそこそこあるので、本格的に短編専用のページを作らないといけないなと考えていますが、実行に移すまでにはまだもう少し時間がかかりそうです。
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